■自分のものなぞ何もない 2003041-3

土地や財産の所有とはどういうことか。既得権というものに寄りかかって生きるし
かないならばそれを恥よ。人間のみの幻想共有から抜け出して自然と共にたまゆら
の生命を身に感じること。今の在様に感謝しつつ自ら変え行くその行く末を見よ。

　　　■我が手よ緑に馴染む鋤であれ 20030422-1

プランターに腐葉土と赤玉土を混ぜ、買ってきたナスとトマトの苗木を２本ずつ植
えてみる。余ったところに酸性が苦手だというニラの種をばら撒く。日を浴びた土
の感触が手の平の上を滑る。越年のニンジンの葉が力強く伸びて風に揺れている。

　　　■生命力は静かな感動を生んで 20030422-2

ふと気が付くとベランダのプランターから覚えのない青葉が伸びている。残飯のキ
ャベツの芯が、野ざらしのまま光と雨と風と土を取り込んで、いつの間にか青々と
した葉を広げていたのだ。驚きと共に自然の生命力を改めて土の中に埋め直した。

　　　■自分に嘘をつく正直者の正直さ 20030425-1

嘘をつきたいという自分の気持ちに正直になれない、愚直な正直者の臆病さ。他者
のために嘘をついたとてその本質に何の変わりがあるものか。嘘も方便と割り切ろ
うと言うのではない。方便とはプロセスのことだ。「嘘も方便」もまた嘘なのだ。

　　　■動きながら思考する身体と意識 20030425-2

静止したままの思考と動きながらの思考は異質なのではないか。逍遥しつつ考える
のが好きな人と椅子の上で沈思する習慣の人とでは、発想はもちろんだが思考の枝
振りや咲く花もまた異なる色や形に違いない。踊りながら走りながら考えてみよ。