■午後の日差しにまどろめば 20030221-3

温かな窓辺の陽だまりでまどろむ至福感。早々に片付けるべき仕事を頭の片隅で思
いながらも睡眠不足の反動で失神しゆく時、地獄に落ちていくのではなく天国に舞
い上がる思いだ。葉の上で光が弾けている鉢植えの植物。私はここにいる。君は？

　　　■３６５日ごとの鮮烈なる記憶 20030302-1

雛祭りの度に蘇るという義母たちの半世紀前の鮮烈なる記憶。空襲時の機銃掃射で
２人は助かり１人はバラバラになって死んだ。２人は成長して娘を産み、その娘が
また娘を産んだ。雛飾りの前で死んだ１人の話をする２人。生命の途絶と連続と。

　　　■雛祭りは平和を祈る命の祭り 20030302-2

突然生命を絶たれた娘が生きていて、子供を産んで今親子３代で会えていたらと想
像することは、決して単なる妄想や夢物語でもない。雛祭りとは一意で、やがて成
長して子供を生む女の子のお祭りだ。平和を祈る行進が静かに光の中を進み行く。

　　　■人の行き様は幾重にも重なって 20030302-3

明るい春の日差しの中を笑顔で進む平和の行進者たち。暗さや強迫観念に突き動か
されての歩みではない。警官が優しく誘導している。近くで北方領土返還を拡声器
で主張するがなり声。日々の生存の方が問題なホームレス。それを等距離で見よ。

　　　■春の陽と風の中の花たち 20030302-4

街角にある賑やかな花屋の軒下の陽だまりにたんぽぽが小さな花を一輪咲かせてい
た。今年初めて見る、わずかな黄色いかたまり。すぐ傍には温室育ちの伸びやかな
大輪の花が競い薫っている。どちらもこの春の陽と風の中で己が自然を咲き誇れ。