■自由時間の搾取　20020829-1

自分の時間を不本意に侵害されることは、私の数少ない苦痛の一つである。奪われ
る財も貶められる名誉もないけれど、成り行きや付き合いで自分の時間を絡め取ら
れ、相手にペースを合わせざるを得ない状況は、自力で打開しなくてはならぬ。

　　　■空間を越えた共時性　20020829-2

稲本選手と小野選手が共に欧州で活躍していた。この二人は当人同士の思いを超え
て本当に仲がいい。米大リーグの日本人選手もそうだが、同じ日に日本人選手が大
活躍をし、また逆にみな不調な日もある。目に見えない共振現象は必ず存在する。

　　　■１週間で慣れる心身　20020829-3

スポーツは１週間続けると初期疲労は肉体の新しい活動形態に吸収されて常態へと
進化するけれど、新しい頭脳労働もまた１週間続ければ新しい意識環境に慣れてく
る。翻訳家として自己申告してからほぼ１週間。心身共に生活リズムを形成中だ。

　　　■ひとりよがりの王国　20020829-4

自分が「世界」と思っている全ては、その人の「ひとりよがりの王国」である。意
識上の全ての創造や想定を超えて、その王国の外に未知は存在する。この存在する
と言い切る空間を共有するためには、王国の中にいながら同時に外に出ることだ。

　　　■クローンでも人は人だ　20020829-5

クローン人間が目の前に現れたら、私はちゃんと人間として接するだろう。昔自分
のスペアとして保存されていた細胞から、オリジナルの死亡後にクローン再生され
た者の葛藤を問うた萩尾望都の「A-A'」という作品があった。その答はまだない。