３行日記2002　ＷＩＮＤ３７ 　　■子供へのやらせ　20020421 雨の日の自由が丘の駅前。ガールスカウトの服装をした子達が声を張り上げて緑の 羽根募金を募っている。責任者たる者の無意識さ。キャンペーンに子供を使うのは 子供に人殺しの訓練をさせて戦場に送り出す連中と基本的に五十歩百歩でないか。 　　■相似と相違　20020701-1 ２者の相似と相違を同時に論ずることはできない。しかし２者間の相違部分をロン グで見ればそれ以外は同じであり、相似点に接近して見ればそれ以外は異なってい ることが分る。相似と相違の重乗表現は矛盾ではなく文脈背景のスライド表現だ。 　　■眠る仔猫の夏　20020704-1 春生まれの仔猫が、強い日差しを遮るよしずの裏で眠っている。多くの仔猫が生ま れ、そして飢餓や病気で死んでいった。デジカメの中にその画像だけが残る。むせ るような夏の風。そっとその細い首を撫でると、それはゆっくり寝返りを打った。 　　 　　■細葱とアブラムシ　20020704-2 春先にベランダの植木鉢に植えた細葱が良く伸びたけれど、最近日に日に枯れ始め てきた。よくよく見るとアブラムシが付いている。血の奥の農耕民族的な感情だろ うか、思考の余地なき憎悪が湧いてきた。生命の尊さを口にすることとの背理性。 　　■眠り入るこそ幸　20020705 図書館でパソコンに向かっていて不覚にも眠っていた。頻繁にである。そしてこの 眠りの後の自然な復元力は何だろう。眠りの混乱の中で、多くの夢や現実への示唆 とすれ違うのは、多重の自分と交差するからだ。目覚めた時から記憶は眠り入る。