翌日の朝、外は雨。今回のイベントを中心となって遂行してくれた別所氏のお宅で
厚顔にも私は一宿一飯一献一談のお世話になっている。プロのＤＪでもある奥さん
の手料理をいただきながら世間話。阪神タイガースがいつのまにかへこんでいる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◆　36　◆

別所氏に見送っていただき、正午過ぎに地下鉄に乗って難波に着く。近鉄でキップ
を買おうとするとディスカウントショップがあったので、ノンストップ特急アーバ
ンライナーのデラックスシートのチケットを購入。ちょっとだけリッチな気分…。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◆　37　◆

大阪の人波にも興味深い土地独特の活気と色柄がある。１３：００ちょうど発の指
定席番号を券売窓口でゲットし、ホームに停車している車両に乗り込む。シートが
３席でちょっとゆったり。誰もこの車両には乗らないのかと思うほど客はまばら。


会場となったCafe Rodeo BESSY氏のお店DBC グリコの青看板 大阪の地下鉄路線頭 デラックスシート

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◆　38　◆

私鉄や地下鉄やＪＲが入り組む大阪は、地理にうとい初心者には全体像を把握する
のは困難だ。しかしこの活気に満ちたこの地には、近々ぜひまた訪れたいものだ。
地下から地上の鶴橋駅に列車が出ると、出しなにそぼ降っていた雨は止んでいた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◆　39　◆

車内でノートパソコンを開き、今回の記憶が揮発性の脳髄から散逸してしまわない
内にと記録を開始する。根を詰めて記載していると、津市を過ぎるあたりで電源の
バッテリーが切れた。しかたがないので窓外を眺める。明るい曇天と鮮やかな緑。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◆　40　◆

ノンストップの列車は快調に飛ばしている。そしてこのようにのんびりぼんやりし
ている時間というのが、本当に久しぶりであるという事実に思い至った。自分が今
何をしていて、どこへ向かおうとしているのか大局的に考えてみる。未来と今と。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◆　41　◆

人影がほとんどない窓外の町並みを眺めていたら、風邪気味の体がずっと警告を発
し続けていたことに気がついた。頑張ってくれた体に愛おしさを感じると、大阪の
スタッフへの感謝の気持ちが体の中心から湧き上がってきた。列車は快調に走る。