◆101◆　19960326-02

自分の声がよく分からなくなってしまう程人と話さない日が続いた。それでも机
に向かい、好きなだけ研究できる事の幸せ。何もいらない、何も望まない。ただ
天窓からの斜め成す日差しが、季節の巡りを知らせている。青空の中の煌く光。

　　　◆102◆　19960326-03

酒井法子似のとても可愛い娘が、日系アメリカ人と週末に渡米する。大好きな娘
だったが、女性はやはり子を産み家庭を作るのが自然だと、肉の中で根強く感じ
るのかな。マブダチだったよ最後まで。でも半ぱ駆け落ちで去る娘の親の心は？

　　　◆103◆　19960327-01

世紀末には必ず何かとてつもない事が起こると言う者も、絶対何も起こりやしな
いと断言する者もいる。未来を今から決めつけるより、どう転んでもいいように
心をニュートラルにする方が面白くはないか。未知だからこそ楽しいんじゃん。
　　　◆104◆　19960327-02

人間が大好き。たとえ人に殺されたとしても、その人の事すらも好き。と心から
そう思って言っていた少女がかつていた。今はもう月並みな主婦かも知れないけ
れど、そんな至高の存在にすらもなれる人間が、たとえ笑われても私も好きだ。

　　　◆105◆　19960327-03

嫁に出た妹のお腹がでかい。あと３ヵ月もすれぱ私の両親もじじとばぱ。どうし
ても妊婦への共感が湧かない。もちろん私は妹が好きなのだが、努力してもだめ
なのだ。子が産めぬ男は男にしかできぬ現実世界に直交する精神圏形成に邁進。

　　　◆106◆　19960405-01

品川のＴより電話。母親が亡くなったとの事。彼女も24歳にしてこの世で天涯孤
独の身というわけだ。密葬を行い部屋の片付け中だけど気を張っているから元気
だと。詰まらぬ軽口をたたけぬ程死はやはり現実としては重い。元気でと一言。

　　　◆107◆　19960405-02

占いに興味を持つ若い女優から電話。最近とても気に入っている男性がいて、ド
リスぺではぱっちりとの事。結婚・出産・離婚・恋愛…。愚かではない女性だが
幸せそうな声でその彼と初めてSEXした時の話を平気でされる私って、―体何？

　　　◆108◆　199601405-03

人々の自己啓発と健康、自由意志の解放を無理なく進めているU.K.から電話。仕
事先の代官山から相変わらず健全で少しハイなトーンで近況報告。充実した忙し
さの只中らしい。世間は動き始めている様子だし私もまたぞろ動き出そうかな。

　　　◆109◆　19960409-01

ぺストと快楽主義者、エイズと禁欲主義者、狂牛病と菜食主義者。どこかループ
しているようだ。信仰は１人で１つ。この身の１つ１つの細胞が私自身を愛して
くれている事を信じている私は地球をとても愛している。偽り隠す必要もない。

　　　◆110◆　19960403-02

『神々の指紋』は面白かった。歴史以前を論理的に突き詰めていく事が未来への
道でもある。未来へ通じる道を必死で模索する人は素晴らしい。いつだって今が
変革期。個人的には『FOR NUMBER NUMBER』のテキスト部分成型がついに終了。

（※）１９９６年版の３行日記はここで途絶えている。今後の３行日記にも期待してください。