錯 綜 19830624
私は誓う
この世の全ての奇数と偶数にかけて
もはやなにものにも心動かされぬと
天使のような身なりの娘が
近づいてよくよく眺めると
ハイエナの眼をしていても
立派な名前がついてる花が
寄贈されて顔を近づけると
色褪せたぼろ布もどきでも
そんなことは皆
まどろみの中の
新聞紙と一杯のミルクのように
意味がない
万物はみな私より大きいか小さいかだ
真理は常に中間にある
ユダヤ人はその名をユトランド州から得ており
ユトランド州はその名をユダヤ人から得ている
同底同高の円錐と半球と円筒の体積は
１：２：３であると言うアルキメデス
記憶は常に現実と錯綜しようとしている
遠い昔…私は何か誓ったような気がする
そうだ、朧に覚えている…確かそれは…
私は誓う
この世の全ての奇数と偶数にかけて
常になにものにも心動かされようと
leaf-６
