誰のものでもない私
私は私だけのものである
誰のものでもない私
私は私のものですらない
私とは？
私とは私とはと問うもの
意識されたすべてを含むそれを超えたもの
何事に対してもSo what？というもの。
And then, so what？

(306) 猫のいる風景

そういえば生まれてからずっと
私の見る風景には猫がいた
猫のいるところには人がいた
当たり前のことだが私は人の間にいた

今日こうしてまた街を歩き回る
まるで縄張りを見回る獣のように
それでも心はフィールドワーカーだ
猫はその隠れた水先案内人

私は一年中社会的には休日ばかりだ
息苦しいまでに自由な休日の昼下がり
ただ優しき休日を楽しめば良いと言うのに
猫は一年中社会的には休日ばかりだ

立ち止まらないと聞こえてこない音がある
立ち止まらないと見えてこない風景もある
私は絶え間なく世界に流出して広がり行く
猫の苦手な雨の日の軒下のしずく