(220)　白と黒の会話−１

■おまえそこにいるか？
□いる。
■今、ここにいるか？
口今、ここにもいるし、今でなくここでもないところにも意識の欠片を残して来ている。その意味では今ここにいるとも言えるし、いないとも言える。しかし今ここにいる。
■醒めているか？
口醒めているし、醒めていない部分もある。醒めていない部分があると分かるだけ、以前よりは醒めているとも言える。眠っている部分も少なからずある。眠っている時でも醒めている部分がある事が分かる。醒めていると眠っているの二元分割はできない。完全なる覚醒はその双方を内包していつつその二元を超える。
■原点は？
□自由。
■問題は？
□自分の世界認識を表現／伝達しえないという事。それは「上手く説明できなければその問題を正しく理解した事にはならない」という言明からいくと、上手く理解している訳ではない。しかしそれは理解を表現する言語を知らない(例えば異国でそ の母国語を知らぬまま表現しようとあがくように）のであるともいえる。それは自分で作らねばならぬメタファーを用いようがどうしようが。
■いかに？
口慈悲をこの身に流して。

(221)　白と黒の会話−２ (19890403)

■やらない方が良いと言うのになぜ自分ではやっているの？
口やってもやらなくてもいいからやっているの。
■ならやらない方がいいとなぜ言うの？
口やってもやらなくてもいいけどやらないほうがいいから言うの。