(215) ただ起こっていること

すべて偶然ではないという事や、すべて自分の望み通りになるという事や、すべての出来事が完ぺきだという事は、方便としてのメタファーだ。良い意味・解釈を自分が与えるという事は、与えたから良い意味を持ったのではない。自分がそう考え、意味を与えているのだと気づけば良いという事だ。そしてそれに気づけば良い意味も悪い意味もなく、自分を通して起こっているのであり、ただそれは起こっているという事なのだ。現状肯定、世界の全肯定とは最早肯定ですらなく、ただ自発←→受動もなくあるがままだと悟る事が眼目なのだ。

(216) 既視と初見は異なるものではない。また片方だけでは存在しない。語義を変えれば知覚できない。既視とは初見の再見であり、初見の再初見である。その再見によって初めて初見は初見たりうる。同時に再見のみという事は有りえない。どちらも見たと知覚したその時に、過去／現在／未来は一つである。その時に意味を付ける。

(217) 他者には何も望まない。ただ信じるだけだ。自然に生きよう。流れを見、流れになろう。不自然なのが自然ならそのまま流れよう。

(218) 人間は本来前に進むようにできている。自らそう成ったとも言えるし、生きて行くべクトル方向を前と名付けたとも言えるが、止まるのも休むのもまた前進するためだ。前進は何のために？超越するために。…では超越は何のために？それはしてみなければわからないし、そのための言葉も今はない。超越する事すら超越するためとでも言えようか。(19890401)

(219) もっと世界そのものを、自分を知ろう。