交神とは瞑想であり、右脳と左脳との対話であり、メタロ―グであり、進化への気づきの過程である。しかし今新たに考えるにそれは、自分自身(「私」)に起こっている物事への、新たなる気づき、意識化でもある。既にそこに在るものも、気づかなければその気づかない私にとって、それはないと同値である。そこに在るすべてを、意識を繊細かつ敏感にする事によって、少しずつでも気づく事。気づく事により、今までそこになかったものが出現する。そこにはおそらくすべてが在るのだ。過去も未来も全時空も全情報すらも。問題は如何に気づき、意識化するかという事だ。

（７７）私と「私」

　「私」から見れば私は、常に心神喪失状態と言える程の無意識状態なのだ。なぜならそれが意識できれば既に私ではなく「私」の意識レべルであるからだ。「私」は私が無意識状態で（不注意、一かばちか的行為、欲望の命ずるまま)成した物事の結果が如何に酷いものであれ、無条件で受入れる。なぜならそれは敢えて「私」が私という半ば無意識状態になり、物事を成しているからである。私が自分のする事の結果を(そしてそうしている事をその時に肯定できれば)すべて諦めやいいかげんな気持ちからでなく受入れられるならば、その時私は「私」である。現状肯定。全肯定。それはまさにそうで在るしかなかったのだから、とやかく言って認めなくても何も生まないばかりか、退化の方向へ存在が地滑りを起こしてしまうだけだ。そして肯定する事すらなくなる。

（７８）森羅万象の内の２物の間の差異、違いを見るのと同じくらい、その２物間の相似、共通性を見よ。そうすればＡとＢが全くもって異物であり、なおかつ全くもって同じ物であるという言明の内に矛盾を見ずにすむだろう。