（６９）偶然と必然。一切の過去は必然であり、一切の未来は偶然である。未来と過去は今この瞬間に在る。偶然と必然は、物事に対する人間の望ましい解釈のしかたに過ぎない。偶然は必然である。その差異はない。

（７０）人間は他人を知る事はできない。世界そのものを知る事はできない。知る者と知られる者の分離がある限り不可能である。人間はただ他人と共感する事によってのみ （即ち他人という者がなくなる時にのみ)自我なく理解する事ができる。世界その ものとなる事によってのみ世界を理解する事ができる。compassion，unification。それを知るために人間はまだ25年も30年もかける。

（７１）右脳と左脳がそれぞれなぜかは知らないが、体の左側、右側という左右逆の部分を担当している事は、鏡の中で左右逆に映っている自分を連想させる。精神と肉体が意識の原点をくぐって反転し、再度反転すると、虚数の２乗が負の数になるように、認識する者が認識する部所を認識しようとするパラドクスの中で、メビウスの輪のようなひとねじれがどこかに存在していて、それ故に左右逆の身体部分と対応しているように見えるのではないだろうか？

（７２）肉体への感謝

　肉体が在るから目の前の世界と係わり、より良いと自ら判断した道／未来を選択する事もできる。(そして時にはその逆すらも。)その時この意識の乗物でもあり、無限の偶然と奇跡の累乗であり、かつ必然である肉体ユニットに対して、その存在する事に対して、また随意ですらある事に対して、とてつもない感謝が沸いて来るのだ。そして自分の意識そのものに対する畏敬すら、しみじみと感じる。肉体のある事、生命のある事、思考のある事、意識のある事、そしてそれぞれの分を弁えつつあるという事に対して、存在そのものに対して、全身全霊の感謝を!!