私は催眠術にかかっている
政治経済文化と言う社会に住んでいるという催眠術
時間と空間の中を何処かへ突き進んでいる存在であるという催眠術
自己と他者・観念と言語の世界認識という催眠術

私は催眠下にある自覚がある
これは生命が発生以来進化の方向として見出した形態
これは人類が試行錯誤の一過程として見出した状態
これは私が一切の過去の大成を体得すべく学習した世界認識法

私は進化の寝床でまだまどろんでいる
催眠術を解く言葉はない…それもまた術の内にある
催眠術を消す方法もない…それもまたどうどう巡りの発想
催眠術はそれを超える事によってのみ自ら解ける

解く者は私　私を超える私
一切の過去は役に立たない
一切の他者は当てにできない
能動的・肯定的・楽天的に世界を受容しよう
それが私好みの生き力　行き方なのだから

（２５）さらなる肯定

何も知らずにいることの強み
それは知ることもできるということだ

何も知らずにいることすら知らずにいる強み
それは知ることも知らずにいることもできると知ることができるということだ

どちらにもなれ、しかもどちらにもならずにいれるということだ
私はそこに無垢の美の究極を見る思いがする