19980229 ２〜３年前の事だ。「彼」は友人と別れてから、友人とのコミュニケーションが上手くいかなかった事を思い出した。二人とも、いや少なくとも「彼」は、我に執着していたのだ。友人に対する怒りのような不快な感情が心に染み出し、澱み始めるのを意識した。そのような憎悪という悪感情はよろしくないので、どうにか自制しようとしたが上手くいかない。その感情を抑圧しようとしても、又じわじわと泌み出て来て、心の中が泥だらけになってしまうのだ。そこでそれならいっその事、それをそのまま認めようと考えた。自分は今、友人の事を良く思っていない。正直にそれを認めよう。そしてそれをそれと認めた時、夜の公園の道で小声で本気になって「ちっくしょう！」と叫んでいた。するとその後にはもう何のわだかまりも残っていなかった。そしてその後ゆっくりと友人とのコミュニケーションについて考え始めた。
19980318
世界的環境破壊も政治不安も、人々の欲望に動かされる様も、湧き出る慈愛も今朝の雨音も、みな自然であり「彼」は愛している。思考はそれらに区別を付け、優劣善悪幸不幸を定める。しかしそれらは皆、「彼」が愛するという事に於いて同じ事だ。どんなに意識的に生きている者も、そのような生き方しかできないという点で自然な様に、自然と人為とは区別がない。区別する事はできても本来区別はない。
問題を整理してより良い方向へ進もうとする事。個人レべルを超えて不可避なる破滅を回避すべく協カしあう事。人為と自然を区別ない事と知る為まず区別する事。それらはみな自然である。自然とは「彼」が愛しているものすべてである。
言葉の綾を怖れずに言えば、「彼」とか愛しているとかすべてとかはみなどうでも良い事だ。問題としているのは今、「彼」の意識に起こっている事だ。それらを記録する必要もない。しかし又記録しても問題はない。むしろ今は超え行く為に、超えている最中を整理把握する為に、ここでその方法自体に意識を絡め取られないようする事が大事である。
GATE GATE PARAGATE PARASAMGATE BODHI SVAHA!
そのとおり!立ち止まってなぞいられない、いたくない、いるはずがない。（あまり記録するとまだ思考に絡め取られかねないので要注意）
吉祥寺百景（０９４）19880229,19880318
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