 19871103-2 ―匹の猫に…
「一匹の猫になぞ執着するな」から「一匹の猫に執着する事もできるのだ」への意識の変容。ここに明らかにパラダイムシフトがある。そして後者の意識で能動的に(まさに能動的に！)世界と接する時、真の生活、新しい生が始まるのだ。『私』はどこにも行かない。『私』は何時だってそこにいる。そことはどこか？言葉で表せば足の裏でも、額のはす向かいでも、右の肩の少し上でもどうとでも言える。空間的に言えばそのようになってしまうけれど、要はそれはすなわち『私』が時空の概念では捉えられない事を言っているのだ。更にパラドキシカルに言えば存在・非在を超えて常住不壊である。有無を超えて有であり無であり有でなく無でなく、有無を超えずにある。
されば「あなた」は「彼」に何と言う？一言「生きよ!」と。そして「彼」はその性向のままより良く生きようとする。より良く生きようとする事自体は良くも悪くもない事を知っているから。そしてそれを取り合えず良しとして生きるのだ。
19871103-3 今後は「これ」をどう外界へ転化創造するかだ。それは「彼」にとっては創作の事であり、そして『私』の問題ではない。しかし「彼」の問題であるので「君」の問題であり、従って「私」を通して『私』はほとばしり出るだろう。
19871103-4 未だ何も外的義務として成すべき事が無い時よりも仕事やしがらみのある日の方が頭が冴え、意識が明確になる時間が多いような気がする。つまり現状では適度に制限があった方が意識の能率が良いようだ。これを上手く使いつつ制限が有ろうが無かろうが意識を自在に用いられるように持って行こう。
19871106-1 ごらん、「彼」が感動していると「君」が言う。そうだねと「私」。
19871106-2 別れ道
右も左も 秋のタ暮れ
19871106-3 床蹴れば
冷雨上がりの 風流れ 素肌に寒さも
また喜ばし
吉祥寺百景（０７９）19871103,19871106
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