(19861020-1) 仕事を終えて矢野宅のベッドに横になり、寝入ろうとして睡眠と覚醒の間にいるというあの意識状態を自覚した。ここはどこだろう？何も見えないが明るさは室内と同じくらいだ。このままの意識を保ち続けていたら、アストラル界とやらに行けるのではなかろうかと思ったが不安でたまらず、慌てて目を明けた。現実界に戻る間、耳の中でズザーッと音がした。またすぐ目を閉じて見ると、身体が上方に浮きあがりそうな感覚があったが、だんだん覚醒状態に戻る。目覚めてすぐにこれを書き止めているが、胃のあたりが少し不快だ。あのままだと戻って来れないような気がして怖かった。勇気を出して実験してみる価値はあるのだろうか？あれがいわゆる幽体離脱というものなのだろうか？
(19861104-1) 羞恥心とは何が持たせるのか？それは社会もしくは他人。では何が持つのか？それは自我。では社会、他人と切り放された密室での羞恥心とは何に対してのものか？例えば性欲に耽るとか、道義的に後ろめたいとかいうことは何に対してのものか?それは自我が自我に持たせる羞恥心であり、未来の自分に対して、また表層意識以外の全自分に対して、さらに神的超越存在に対して。
ではその羞恥心を持たずにすむにはどうするか？自分自身に対して、またそれ以上のものに対して正直になること。そして自分自身を正確に認識するよう努めること。劣情に負けそうな時もそれをありのまま認識すること。自己欺瞞しないこと。
ではそうすれば羞恥心はなくなるか？いや自我がある限りそれは存在する。
(19861104-2) カルガモと浮浪者。ＴＶの二ュースでカルガモの越冬を案ずる映像を見て、先日東京駅から大手町まで歩いた時、地下道で見た沢山の浮浪者を思い出した。なぜ彼等の越冬は二ュースにならないのだろう？彼等の越冬の生態もカルガモに劣らず興味あるものだし、人間として目をそらしてはならない問題だと思うのだが。彼等の人権云々と言う前に、どこかが明かに間違っていることを正視すべきではないか。
吉祥寺百景（０２６）19861020,19861104
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