(19850709-1) 九州の半田宅に数人で訪れ、帰りは飛行機に乗る事になった。窓際に座りたかったので、窓際に座れるに違いないと自ら決めた。チケットＮＯ．３３Ｋ。そしてＫの列が窓際である可能性をあれこれ考えたが、１１番目のアルファベットが窓際に来るケースは思いつかなかった。それでも窓際に座る！と強く念じた。そして、実際に窓際の席だった。Ｉの字が数字の１と間違えやすいために、抜けていたからだ。ジャンボ機はみんなそうなっているのかも知れないが知らぬものにとっては同じ事で、そうだと決めればそうなるという命題には間違いがないということだ。窓の外の美しい雲。このようにいずれ飛翔することがあるのだろう。ほとんど物質を用いずに。なぜならそう予感したからであり、そう決めたからである。それがいつか分かるのは、また別の問題である。しかしそれはそう遠いことではない。
(19850709-2) 父が３９度以上の熱のまま何日か無理して働いていたが、今日とうとう休んだと、今晩遊びにきた妹が言った。「おれが行かないとみんな仕事にならないから」と言っていたという父。自負などを抜き去っても、父のその類の優しさよく知っている。息子だからね。妹が言った。｢大丈夫だと思うけどね。あの人(自分の父親をそういう呼び方しているのだ、あやつは)｣昔一度死んで生き返った人だから。」父は自分の子供がまだ１〜２歳の頃、胃をやられて吐血し、手術しようとして死んだ。３０分後に蘇生して、体力も戻ったので無事手術も成功して現在に至る。母の話によると、父は花畑のあるとても気持ちのいいところに行って、その向こうに行こうとすると、誰かが「おまえはまだ来てはいけない、戻って○○をやれ」と言ったらしい。ここで解釈。○○とは人間世界に戻って、子供たちをしっかり育てなさいということだった。根拠なし。そう決めたのである。
吉祥寺百景（０２１）19850709
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