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（７３）スリ・ヤントラ
サンスクリット語でヤントラとは「幾何学的な力の図形」である。
スリ・ヤントラ（スリとは「高い・偉大な・高貴な」を意味する）は知られているすべ図形で表す力のシンボルの中で、最も力強いものである。私は数年間スリ・ヤントラに興味を持っていたのだが、やがて私はこのシンボルがただの見事なデザイン以上の物である事を知るようになった。これは生命力エネルギーに焦点を当て、バランスを取り、レベルを増大する事のできる光波アンテナである。
スリ・ヤントラで瞑想する事は悟りをもたらし、そのマントラのイメージが心の中に刻み込まれるまで瞑想した者に、宇宙の全ての秘密を明らかにする。自宅のマンションの壁の１面に巨大なスリ・ヤントラを描いた特別な部屋を持つ、とても有名かつ有能なハリウッドのプロデューサーを知っている。その部屋の唯一の家具は、スリ・ヤントラの前の空間に彼を持ち上げるようデザインされた水圧の椅子である。彼は毎日それで瞑想し、そのヤントラが彼に成功の力を与えてくれていると信じている。
真実のヤントラは全て、４つの方向の力に関連する４つの「門」を持つ４角形の枠組みの中には、それぞれのヤントラに必要な特別な数の蓮の花びらのある２重の円がある。これらの蓮の輪は、そのへりが幾何学的デザイン図形になっている、同心円の組で囲まれている。哲学的に我々は、これと実際に咲いている蓮の花との間にはっきりした対応性を見る事ができる。蓮の花は受光器であり、ヤントラの蓮の花びらであり、中心を向いているアンテナにエネルギーを方向づけている、アンテナの皿に良く似た構造形として現れている。
完全なスリ・ヤントラを描く秘訣は、チベットのわずかな秘密の僧院中に隠されている、とヤントラに関する何冊かの本は言っている。何年もの間私は多くのスリ・ヤントラの図を見てきたが、完全なものはなかった。スリ・ヤントラの幾何学はとても高度なので、一見才能のある図案家ならそれをたやすく作り出す事ができるようにも見えるが、すぐにそうではない事に気づくはめになる。私が最初にこれと関係しているデザインと力に気づくようになって以来それを描こうと試みてきたが、完全にするために私はもう２５年も費やしてきている。
スリ・ヤントラはだまされているかのように単純である。描くのは簡単なように見えているが、完璧な調和状態もしくは全ての点で絶え間なくデザインが反射しあうように、全ての３角形を描く事はほぼ不可能だとしか思えないような、様々な多様性がそこにはある。このデザインを正確に描く方法を表したといえる本はないし、その神秘を見抜ける程に完全なスリ・ヤントラを私は未だに見たことがない。
私が素晴らしいものに見えるような絵を描き始た２５年前には、不完全さを隠すに十分な太さの線が必要だった。しかしパーソナルコンピュータの進化とともに、描画プログラムは１／１,０００,０００インチの精度にまでなったので、私は欲求不満になってきた。これはほんのわずかの不正確さも明らかな苦痛になってきたという事だ。最終的に私はコンピュータ上でスリ・ヤントラを何千時間もかけて描こうと試みたのだ──成功する事なしに。
最終的に私は、秘法を私に啓示してくれるに違いないと考えていたその計画に、時間をつぎ込み過ぎたと感じるところにまできた。それで私は我々の精神的な師匠であるインドのスリ・サスヤ・サイ・ババに、助けて下さいと心の中で質問をして解決する事にした。その夜彼は私の夢の中に現れ、スリ・ヤントラの秘密を私に示してくれた。次の日の朝、私は１／１０,０００,０００インチの正確さでその１つを描いたのだ！
完全なスリ・ヤントラの中心は２７本の直線からできている。下向きの５つの３角形と上向きの４つの３角形からできている。これらの３角形は組合わさっているので、その線交点は完全な点なのである。この事はそれぞれの３角形は幾何学的に他の３角形と正確に補足し合っている事を意味している。このヤントラの正確な中心は「ビンドゥ」、もしくは創造点として知られている小さな点である。このヤントラが瞑想の焦点として用いられる時、観照者はビンドゥ点を注視する。
このスリ・ヤントラは創造の音の幾何学的構造─ＯＭ─の現れであると言われている。ヒンドゥーの創世の話によると、神が一言ＯＭと口にすると、世界は創造された。経験を積んだ瞑想者が全てを超越して創造の場に入ると、創造の音または宇宙のＯＭを聞くだろう。これはキリスト教の創世記の中の「初めに言葉ありき…」に良く似ている。しかしキリスト教の話の中にはその言葉が出て来ない。それはＯＭだったのだろうか？
ＯＭとスリ・ヤントラに関して特筆すべき事は、ハンス・ジェリー博士の研究が、ただ驚異的であるばかりではなく、科学としての形而上学的意義をも説明する、エネルギー的関連性を証明したという事である。
ハンス・ジェリー博士はカイマティクス<Cymatics>（ＣはＫのように発音される）として知られている科学的研究の場の開発者である。彼の最初の研究装置の１つは、典型的な拡声器の中の電導コイルに良く似た装置と関連している、水平な金属板からなっている。この装置は音の振動を直接金属板に伝える事ができる。実験の中でジェリー博士はその板を砂か液体で覆い、その上に生じる音の振動波形の物質的なパターンを観察した。
ジェリー博士は様々な音楽的音調や他のタイプの音が、砂の中に幾何学的な波形パターンを直接立ち上げるという事を発見した。これらのパターンは写真やビデオフィルムに撮る事ができたので、彼はキネマティック<kinematic>パターンと呼んでいる、それらの何百枚という振動写真を載せたシリーズ本を発行している。
この事に関して我々が特に興味を持つ事は、ジェリー博士がその装置に向かってＯＭと唱えた時、完全なるスリ・ヤントラのパターンが振動する砂の中に描かれたという事である！この発見はスリ・ヤントラがＯＭの音で出現するというヒンドゥーの主張を証明している。