（４３）ベシカ・パイシス─ボルテクスの目─神の瞳
父なる神の聖なる瞳は創造の裏の創造のパターンである(Key 316:5)
フラワーオブライフの「花びら」はほとんどのキリスト教徒がベシカ・パイシスもしくは『魚』として知っている象徴の形をしている。この象徴は我々のリアリティを形成している源初の支配の一部である秘教的意味と真正な力の一部を持っている。これらの事を理解する事で、研究者にはボルテクスの宇宙の本質の理解がもたらされるだろう。
このシンボルの普通の説明は、主キリストがその場に集まってきた多くの人々の全員に食べさせるために、わずかな魚とパンの固まりを十分な量に変えるという奇跡を起こした時の、その顕現の力を象徴している。さらに深いレベルでは主が物理的現実の完全なる制御という魔術の行為によって作り出した魚は、秘跡として、または聖なる食べ物として考える事ができる。それゆえに魚の象徴はまた、神聖でスピリチュアルな食べ物を象徴しており、普遍的で豊かな誠実さは我々がキリスト意識の達成という相伴に招かれる事である。
早期のキリスト教徒によって成された様々な著作と芸術作品は、彼らの宗派のうちのいくつかが魚ではなくイルカとキリストとの間に神秘的な関係があった事を暗示している。しかし何世紀かが過ぎると、キリストとイルカの相互関係は次第に失せていき、新約聖書の中の魚に関する多くの言及によって、イルカによって提示されたその意識概念は、魚の象徴によって完全に取って代わられた。（※）
ベシカ・パイシスの他の解釈では、その２つの円は天と地、精神と物質の現れであり、彼らが属していた時代はキリストを宇宙の働きの象徴として、それら２つの領域の仲介者として解していた。それゆえ、ベシカ・パイシスは２元性と１元性の両方の顕現であるとも言う事ができる。
しかしながらおそらく最も重要な事は、フラワーオブライフの花びらは「全てを見通せる神の眼｣として知られている象徴とも関連しているであろうという事だ。「エノクの鍵（Keys of Enoch）」の研究者はこの概念が、「エノクの鍵」が宇宙の構造を最初に理解すべきメタトロンの科学と根本的に関連しているであろうという事に、何の疑いも抱いてはいない。
デュランバロー・メルキーザディックのフラワーオブライフのコースで、彼は光の波と人間の眼がいかにベシカ・パイシスの幾何学と直接的な関係を有しているかについて、とてもうまい説明をしてくれている。
（※）我々のいる現代に再びイルカは意識の拡大、宇宙との調和、そしてアセンションの過程の象徴としてよく取り上げられるようになってきている。（シリウス星から来た地球外意識体としても──ロバート・テンプルの本、「シリウス・ミステリー」参照）
ベシカ・パイシス、『神の眼』
そしてボルテクスの目における３つの『聖なる』
・２，３，５という数の平方根は全ての形態を創出する根本的特性である、という事をピュタゴラスは発見した。
・これらの３つの平方根はベシカ・パイシスの中に見いだされる。
・このイラストレーションはこの３つの『聖なる根』の関係を示している。
・２の平方根は正方形の対角線として定義される。その特性は発生である。
√２＝１．４１４２１３５…
・３の平方根は立方体の立体対角線、及びベシカ・パイシスの長い方の対角線の両方として定義される。その特性は３次元空間の形成である。
√３＝１．７３２０５０８…
・５の平方根は黄金の長方形（※）の対角線、及び黄金比φとして定義される。その特性は再生もしくは成長である。それはキリストの生命を与える本質の顕現である。
√５＝２．２３６０６７９…
（※）訳注：辺長比１：２の長方形の事。
