（３４）話し方

神秘主義者は自らが創造したいリアリティを反映する言葉を慎重に選ぶ。神秘主義者たちは我々が用いる言葉が我々のリアリティを強化し、我々を制限したり呪縛したりしない肯定的な言葉を用いる事の重要性を知っている。我々の一人一人が言葉の使い方を見つめ、我々の日常生活において使っている言葉も祈りやマントラや祈願の言葉のように慎重に用いるべきであるという事を知らねばならない。

　「エノクの鍵」は英語を「２次的言語」であると言っている。この事は英語が、完璧にして普遍的な神の意識の波動形態との共鳴を失っているという事を意味する。言葉の振動が言葉のイメージを反映していないのだ。しかし実は我々が普遍的意識とのつながりを奪われているだけではなく、ほとんど力のない言葉を与えられているという事にもよる。

　２次的言語としての英語について論じる場合、我々の言葉がリアリティを制限し、歪曲するような形で構築され続けてきたと言う事が示唆されている。しかしたとえそうであっても我々はこの失墜した言語を用い、明確な思考によって我々のリアリティを創造して行かねばならならいのだ。

　我々の現代的なスピーチのパターンは多くの否定的エネルギーの祈願を含んでいる。そのパターンのほとんどは自己嫌悪、否定的自己イメージ、自己や家族や環境に対する呪詛である。「Ｉ hate that．」や「d-mn it．」は古くからの例である。その事を知らずにこの言葉を口にする者は、本当はお気に入りで良い関係を保ち続けたいはずの人々や物に対して、憎悪に満ちた呪いを投げかける。

　呪われろ（ｄ−ｍｎ）は強力な言葉で究極の意味を持っている。もしあなたがこの言葉をまだ使っているのであれば、その話し方の習慣を変える事を推奨する。「Well, I'll be d-mn it．」というのは何と奇妙な間違いである事か。

　２次的言語と人間の反進化のリアリティについての興味深い例は、一部の若者があるものに対しそれが好きである事をどこか「ｂａｄだぜ」、というような表現をするという事だ。このような言葉の使い方は、人間の思考過程が無視しがたいほど歪められている事を証明している。

　我々の思考／言語の回路が閉じた輪になってしまっているという事に気づかねばならない。我々は話し方のパターンを用いて無意識をプログラムしており、我々の話し方のパターンは我々の思考パターンによって制御されている。しかし我々自身の話し方に注意深くなり、我々を支配しようとしているもののサブリミナルなメッセージを見極める事でそのプログラムを制御できるのである。無意識が話し方と思考のパターンによってプログラムされている事を我々は知っている。これが我々がマントラや祈願文を用いたり、オーディオ催眠やサブリミナルテープを聞く理由である。我々は皆、確実なフレーズを反復したり聞かされたりする事は我々のリアリティを（もしそうでなくても少なくともマインドを）引き付ける力を持っていると信じている。

　多分我々はメディアが我々の耳に流し込もうとしているプログラムについて、もっと注意を払わなければならないのだろう。有名なアーティストが作るたくさんのロックやポップソングの歌詞の中に、強烈な否定的表現のプログラムが繰り返し用いられている事にあなたは気づいているだろうか？例えばスーパースターの歌う曲の題名が「調子悪いぜ、全くうまく行かない（I'm Bad,I'm Bad）」だ。実際「調子悪いぜ」というフレーズがこの曲の内容の全てである。この言葉が何度も怒りのこもったアップビートで何度も何度も繰り返されている。別の例を上げれば、ハードロックスティーションで何年か前に聞く事ができたポップスで、タイトルが「おまえを愛する俺が憎い」という古典的なヘヴィメタルの曲だ。この曲はアメリカ人の耳に注ぎ込まれ続けている心の状態の特に良い例である。これは催眠的なビートと何度も繰り返される死のマンダラである。驚くほど多くの人々が混乱させられている事は間違いない。彼らは否定的な思考のプログラムにまみれている。

　ロックやヘヴィーメタルの主流にだけこの手のメンタルの状態が起こっているという印象をあなたがいだかないように、１９９１年の穏やかなソフトロックのヒット曲の「ベイビィに何か具合が悪い時、私は何かイイ感じ」というタイトルを見てみよう。このかなりいかがわしいマントラは、パンクやヘビーメタルバンドの「ｂａｄ」という言葉のいかがわしい意味が詩的にうまく包み隠されて美しく歌い上げられている。これは何かのジョークだろうか？

あなたが人生を見つめる時にサブリミナルメッセージが関与する事を許せるだろうか？

　我々は地球を癒し活性化するのに音を用いる事を学ばなくてはならない（※）。人々が集まって調和の取れた方法で唱和もしくは歌う時、彼らは惑星のエネルギースポットへとバランスが取れて調和したエネルギーを送り込んでいる。このタイプのワークはパワースポットで行われる時、いつでもさらにパワフルになる。この事を考えるに、全てではないにしてもヨーロッパの大聖堂のほとんどがパワースポットの上に建てられている事実は興味深い。アセンション・プログラムを活性化するには、我々はセレモニーに集い、惑星のグリッドに調和の取れた音のエネルギーを送らなくてはならない。地球は人間の知覚閾のすぐ下の電磁波の低振動を発生している（毎秒１５サイクル以下の）。この低周波は地球表面の縦波のグリッドを形成している。ハーモニクスの法則によって、我々はパワースポットにおける唱和で生ずる音のエネルギーが直接惑星のグリッドに送り込まれるという事を知っている。（Ｅ.Ｊ.グルジェフは数年前に形而上学的表現でこの事を語っている。）

ただ「オーム」と唱える事は、大変力強く癒しの力がある。ＯＭは愛を意味する。愛は調和である。ＯＭのエジプトでの形はＡＵＭである。もしあなたがこれらの音を唱和した事がなかったら、少なくとも１０秒間唱え続けてみる事を勧める。そうすればあなたはヨガ行者の師が語っていた事を理解し始めるだろう。

（※）「エノクの鍵」は我々に、すべてのレベルの創造物と連動し、創造的に共鳴すると言われているマントラ「コダイシュ、コダイシュ、コダイシュ、アドナイ、ツェバヨス」（聖なる聖なる聖なる創造のである。主たる神）を唱えなさいと助言している。