（３２）愛と自由意志――これは自由な宇宙か？

哲学的思想のスクールはの多くは、我々の世界は自由意志の宇宙であり、我々が意志するままに物事を起こす力を持っているという事に同意する。しかし我々は自由意志が乱用されうる事も忘れてはならない。アダムとイヴの堕落はその良い例だ。イヴはりんごを食べるように強いられたのではなく、そうするようにそそのかされたのである。

　自由意志の宇宙では存在は他の存在を虐待する自由がある。そう、確かに必然的に生ずる宿命的な罪というものは存在する。しかしすべての存在が宿命を信じているわけではない。

　自由意志は操作されうる。人間はみずからの自由意志で不幸を選択する事も出来るのだ！多くの人が喫煙を選択し、それが決定的不幸を招くかも知れないという事もその一例である。しかし誰も彼らにそれを強いてやらせてはいない。彼らは自らの自由意志で喫煙を選んでいるのだ。周りを見渡せばほかにも多くの例がある。

愛の法則の元の自由意志は決して他者を傷つけない。

　自由意志は個人としても社会としても、我々にとって良くない事を知らず知らずに引き起こすように操作されうる。

　アストラル・レベルを操作する否定的なエンティティは人間の恐れを食料とする。それらのエンティティは、多くの人間が恐れのサイクルの中に閉じ込められるような形に我々の世界を変えるために、長期に渡り強く騙しつづけてきた。

　このサイクルを打開するのはたやすく、そして難しい。それに求められるものは自分自身を愛と喜びで満たせれば良いので簡単である。そして社会が人々に人生の否定的で好ましからぬ局面にフォーカスさせようとしているので難しい。

　あなたは否定的思考と行動の過去の日々を超えられるだろうか。喜ばしい事に、期待はイエスである。もしあなたが喜びと愛を感じられないほど外れてしまっていたら、この本を読んではいないだろう。ものごとに幸せを感じるよう試してみよう。状況の否定的な一面を見る代わりに肯定的な一面を見るのだ。少しでもそのようにしてみれば、もっと愛が満たされ、否定性は遠のく。愛と喜びを経験するほど、あなたは人生と調和するだろう。愛、喜び、調和は互いに増幅しあう。あなたが調和を見出すと宇宙はあなたに広がりつづける愛を送り、そして愛は喜びを創る。調和状態にあれば、あなたが否定的なプログラムを乗り越えるための力強い訓練は、ただ自分自身を愛する瞑想である。

愛は宇宙における究極的な創造力である。愛は強力なので、貧弱であったり、傷つきやすかったりはしない。主キリストが愛は万事を解決すると教えた事を思い出そう。しかしあなたは恐れや狭量を教える規制の社会的・宗教的制度に対して「ノー」といえる自由意志を持っている事も忘れてはならない。