（０７）聖なるスピリットとしての普遍的な愛

普遍的な愛の存在は普遍的な光と生命の存在よりもその証明が難しく、未だ成されていない。光の生命は自明であるが、愛は私が知る限りにおけるどんなタイプの実験機器によっても「形而上学的なエネルギー」として抽出したり数量化したりする事がほとんど不可能なほどに難しい、明らかに超越的な特性として現れる事を我々は知っている。不可知論者や無神論者として認められている多くの科学者が、愛が普遍的特性である事や、宇宙的構造において何らかの働きをしているという事を否定するのはこの事実による。

普遍的な愛の否定もしくは受容は、唯物論者の哲学と神の存在を信じる者との間を最初に分かつものである。この二分裂はまた、どんな人でも考える「我々は単に生命のない物質宇宙における進化の偶然の産物に過ぎないのか、それとも偉大にして神聖なる存在の一面なのだろうか」という、最も深遠なる問いの一局面として現れている。どのようなケースであっても双方の哲学における確信も、信仰の形での現われである。

愛が我々個人の心における主観的リアリティを超えた普遍的な力として存在するかどうか証明しようと試みる時、我々は科学的に立証できる証拠が何もないという事を認めなければならない。普遍的な愛の確信は、何らかの信仰の現われである。なぜなら愛はただ肉体において、感覚によってのみ発見できるものだからである。

にもかかわらず、特別な系譜や評判を持つ神秘主義の学校、チャネルするエンティティ、そしてすべてのスピリチュアルな師は、愛は万物を創造し統合する力であると言っている。そしてこの信仰は普遍的愛の真実を理解するために磨く必要のある特質である。

この考え方をもう少し敷衍すれば、我々は師キリストの教えに従って愛は聖なるスピリットの一面であると知る事になる。現世的人間にとって聖なるスピリットは神秘の中の神秘、神性から直接放射される究極の創造力として現れる。この光の中で、最初のギリシア語と新約聖書のアラム語で聖なるスピリットと訳されている語句は、より厳密に「聖なる息吹」と訳されるべきである。聖なるスピリットは万物の中に息を吹き込む。聖なるスピリットは普遍的な生命力エネルギーである。

愛は光と生命に調和して宇宙の万物を生み出すために働く創造の最初の要素である。愛は現世的人間によって定量化する事はできない。それは肉体と心の内の信仰と経験の現われとして受容すべき超越的概念である。それゆえ我々は聖なるスピリットとの関係において成せる最善の事は、それを敬いつつ常に我々を通して流れるようにする事であると教えられている。

形而上哲学において、愛には条件付きの愛と普遍的な（もしくは無条件の）愛という２つの根本的な形があると理解されている。条件付きの愛は個人の心の中に生起する、狭義で主観的な経験である。なぜならそれは執着、欲望、そして判断の形であるからである。だから仏教的な見地からは、条件付きの愛ははかない幻想世界のほんの一部に過ぎないのである。

普遍的な愛は万物を創出する最初の神の力の基本的特性なのだ。最もシンプルな定義において、愛は創造の「意志」である。それは普遍的マインドによって生み出された第一思考の指令なのだ。「それらを光のままにしておくがよい」

普遍的な光はそれゆえに普遍的な愛の一面である。それは愛のプログラムを全宇宙に運ぶ。形而上学的な瞑想において、瞑想者は意志の行為を通して人間の教師か師キリストのような指導の元で、宇宙創造主の純粋なる愛の光と自分自身を同調させる方法を学ぶ。普遍的な光は宇宙における全生命の最初の現われとして知られている。これには全物質・星々・惑星と同様に、また生命を有し純粋なエネルギーの生命形態と同様に、精神的・物質的双方の光そのものも含まれる。

この事を考慮に入れると、我々はまた古代人が人間の魂を星々のエネルギーと同等のものと考えていたと理解すべきであろう。これがこの訓練がソウルスター（魂の星）と呼ばれている理由である。ラテン語で太陽をソル（Ｓｏｌ）というのは偶然ではない。我々の誰もが万物創造主、主キリストが彼の母国語で「アバ」もしくは父と呼んでいる存在の愛、光、生命の一局面なのだ。星々を創るエネルギーは魂を創るエネルギーである。光 ／ マカバの体を活性化するには、普遍的意識体もしくは魂の一部であるハイアーセルフと肉体を溶け合わせれば良いのだ。

普遍的愛は創造の意志であり、すべての生命を育成（扶養）する。愛は神の最初にして最重要な一面であると見られている。愛は活動中の普遍的な生命と光である。そして宇宙はそれ自身の存在の実現において喜びを経験する。

宇宙は不断の拡張、増殖、多様化において愛の法則を適用する。愛は全宇宙を創出する創造の第一要素である。愛は現世的人間によって推し量る事ができない。それは肉体と心において信仰され経験される行為として受け入れられるべき卓越した概念である。それゆえ我々は聖なるスピリットとの関係において成せる最善の事は、それを敬いつつ意識的にいつでも我々の中を流れるようにする事であると教えられている。

活動中の普遍的な愛の自然なる産物は、自己保存の欲求である。生命を維持する欲求と指令は、宇宙の最初の真実だろう。人間にとって自己保存の普遍的法則は根本的な４つのものとして表れている。つまり我々個人の生命維持の欲求、生命を喜びとして経験する欲求、子孫保存の（もしくは単に創造の）欲求、そして地球圏を超えて広がり続ける宇宙の生命システムを意識的に維持達成する欲求である。この過程はアセンションとして知られている。キリスト教徒はアセンションを「不滅の生命」、自己保存の究極の形と呼んでいる。

この事は宗教と形而上哲学の最も重要な教えの一つ、すなわちすべての生命は我々が神・宇宙創造主と呼ぶ全一なるものの一局面であるという事を我々にもたらす。それゆえ我々はすべての生命を敬意を持って扱い、我々の同輩を我々自身として接するべきである事を忘れてはならない。これが活動中のキリスト意識なのだ。