wind007

＜１６＞狂え、狂え、みつまろ　19910508

狂え、狂え、みつまろ
あらゆる仮面を被って踊り狂え
みっまるがみつまろと呼ばれる前のおまえは狂わない

水を見たら笑みを思い出せ
水の賢者の素敵な呪文 Keep smiling
鏡の中の自分がいや―な顔をしていたら
そのいや―な顔を愛せ、顔面磁気を払う笑みで

何も恥ずかしい事はない
恥ずかしいのは恥ずかしがる自分の心だと知っているだろう？
恥ずかしければそれでいい。
恥ずかしがりつつもパフォーマンスを続ける。

まだこれは観念と感情の混ぜこせになったたわ言だ。
知っている、これよりただ―言の「こんにちわ」が価値ある事を。
手を差し伸べよ、微笑み掛けよ。語られ、笑われ、呆れられるが良い。
そうされる事が目的でなければ誰をも恨む事はない。

目映いほどつぶらな瞳の子を愛するように
偏屈でねじ曲がったまま死に行く老人をも愛せるか？
野に咲く小花や小鳥のさえずりを愛でるように
汚泥や毒素や病人や狂人をかけがえのないものとして見れるか？

つぶやき、つぶやき、草いきれの中で聞こえてくる。
それは他ならぬ私の内の声にならぬ声。
狂気にも感情のオーバードライヴと
観念のショートサーキットの２種がある。

＜１７＞みつまろは思う　19910508

造作は不細工でも優しい微笑みでいれたなら
目鼻は小さくても暖かな眼差しでいれたなら
口下手でも思い遣りの一言が発せられたなら
無骨でも哀しむ者に手を差し伸べられたなら
頭の回転が鈍くても世界に目を見開けるなら
不快な人連の中にも美点が見つけられたなら

自分より悲しい人には何時でも元気付けられるなら
自分より貧いい人には何時でも全部差し出せるなら
自分より幸せな人には何時でも祝福してやれるなら

自分とはその為に在る仮の基準目盛りなのだろう
みつまろとはみつまろにとってこの世の仮の原点なのだ