(19861020-2) 映像や写真、また想像できる場所に意識を集中すると、その場に行って立っている時味わっているであろう感覚を得ることができる。その場所が好ましいものであるほどそれがたやすい。
自分の未来のある時点を想定して、そこから現在も含まれる過去を振り返る。あれをこうしておけば良かったのにという、その時点における実感から意識を現在に戻した時、現在をより良い方向へと向かわせることができる。
また過去のある時期に意識の焦点を合わせて、その時の感動や未来への決意を思い出す。現在を顧みてそれに共感できればそれを生かすも良し。それが良いとわかっていても共感できない時は、その原因を解明することで、２つの時の差やベクトルの変化量とその方向を見定められるのである。
(19861020-3) 肉体は取り残されがちだ。次に感情、情念が置き去りにされ易く、過去・未来ともまだそう遠くまでジャンプできない。しかも正常であれば必ず戻って来られる。その場で強烈な精神磁場に捕まらなければ。そのようなことのないようにジャンプはだんだん遠く、だんだん大胆にしていけばいいだろう。それは常に新鮮であり、常に懐かしい。そして魂以上のものはジャンプする必要もなく遍在しているのだろう。そしてそれもまた「彼」なのだ。もしくは「彼」とはそれでもあるのだ。
しからば肉体と意識の本当の共通点は、常に変わり続ける時空間座標の１点に過ぎず、それはたえず空間を含んだ時間軸方向に移動している。それは止めがたいがゆえに幻であるとも言える。だから肉体を軽んじると言う発想も出てくるのであろうが、「彼」はそれゆえに愛を深めることもできる。
吉祥寺百景（０２７）19861020
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