（F001）

■１■マヤでは260日周期の神聖暦ツォルキン､365日周期の農耕暦ハアブ、584
日周期の金星暦等多くの暦を併用していたが、古代エジプトでも29日と30日を
交互に繰り返す太陰暦､360日に５日の特別日を加えたシビル暦、そしてシリウ
ス周期に合わせた１年365.25日のソティス暦の３つの暦を同時に用いていた。

■２■シビル暦は４年ごとに１日ずつずれていき、シビル暦の1460年がソディ
ス暦の1461年と同期する｡なお１年を365日に数える点では同じだが、エジプト
のシビル暦の内部構造は30日×12か月＋５日であり、マヤのハアブ暦の方は20
日×18か月＋５日であった｡また中国もシビル暦と同じ構造の365日があった。

■３■この閏年を置かず一定期間分をまとめて処理する１年＝365日の暦は､25
年で月の 309朔望周期とぴったり同期する。（25×365＝）9125日を309で割る
と（9125／309＝）29.5307日となる。現代の精密な計算による月の朔望周期は
29.5309日であり、この数値間の誤差は驚くことに僅か 0.0002日に過ぎない。

■４■古代の資料によれば、エジプト人が夜空に輝くシリウス星をナイル川の
氾濫時期を知らせてくれる｢もう１つの大きい方の太陽｣と見なしていたことが
分かっている。そして地球からは肉眼で観測できないシリウスの伴星Ｂ（白色
矮星)の公転周期は、現代の天文学によって地球の50年であることが分かった｡

■５■アフリカのドゴン族がポ･トロと呼ぶ､この非常に高密度で小さい星を現
在では一般にデジタリアと呼んでいる。太陽暦・太陰暦・金星暦・シリウス暦
という４つの暦を用いていたこのドゴン族は、遥か昔からこの目には見えない
星デジタリアの存在はおろか、その公転周期が50年であることも知っていた。

■６■デジタリアの公転周期50年を重要視していたドゴン族は、60という数を
宇宙の胎盤と考え､60年毎に盛大な祝いをする｡ストーンヘンジには周辺に掘ら
れた56基のオーブリー穴の内側に、２重の同心円状に60基の穴(Ｙ穴とＺ穴)が
ある｡エジプトにもオリシスと関係づけられた60年ごとの祝いの期間があった｡

■７■50と60｡60進法が最初から存在していたシュメールでは､この50年を25と
25というように２重に表現をしていたことが知られている。黄金比φの２乗で
ある2.618…は､ピアノ中央のハ長調のドの平均律の振動数261.63Hzをも連想さ
せる。この振動周波数は黄金比の２乗のほぼ 100倍である数値となっている。

■８■なおこの音高の近辺は、声楽のバスからソプラノまで男女６種類のパー
トのどの声域にも重なっている音域である。そして何より私たちが小学校で最
初の音楽教育を受ける時、ト音記号のついた５線譜の一段下に土星のような形
でもしくはマヤの20を表す数記文字に似た形で表しているド(Ｃ)の音なのだ。