Ｃ-012　菱形12面体の切り出しと３面図

■１■ルービックキューブは、正６面体の点４・線12・面６・重心１の要素に対応する小正６面体ピース27個からなっている。このルービックキューブのうち、線心にあるエッジキューブと頂点にあるコーナーキューブは回転移動するが、面心部の６センターキューブと重心部は回転はしても位置が変わらない。

■２■つまり小正６面体３×３×３＝27ピースからなるルービックキューブには、その中心部には回転はしても位置が固定した不動の立体十字架がある。その７ピース以外の20ピースが回転して、ルービックキューブを成り立たせているのだ。しかし今は小正６面体が３軸に直交する立体十字架部に注目しよう。

■３■中心の正６面体の各面には、６つの正６面体がぴったり接している。これら外周の６つの正６面体の重心、及び中心の正６面体の８つの頂点を線で結ぶと、そこには点14、線24、面12の菱形12面体ができる。またこの菱形12面体体をぴったり内接させる正６面体は、線長２倍、面積４倍、体積８倍である。

　　　

■４■なおこの菱形12面体はこの３軸直交の中で、体積１／２の正６面体を内包している。菱形12面体の頂点には線が３本集まる８点と、線が４本集まる６本とがある。この３本集まる８点からなる正６面体を切り出すと、６つの４角錐がのこる。この４角錐を頂頭部を揃えて中心に合わせると正６面体になる。

■５■なおこの菱形12面体を、線が４本集まる６頂点と重心を貫く直交３軸に位相を揃えて３面図を描くと、その３面とも全て「田」の字形になる。この平面的には「田」の字に見える４つの面は、隣りあわない対の２面同士が作る立体的な角度は全て直角になっている。意識的でなければ立体的把握は難しい。