正４面体には外接球があるが、外接球側から見れば正４面体が内接していることになる。地球はわずかに偏平な回転楕円体だが、それを今球体と考えて、その中に内接する正４面体を想定してみよう。この正多面体の４つの頂点のうちの一つを南極点に据えるとすれば、正４面体の中心角１０９．５度との関係から、残る３頂点は北緯１９．５度の位置に１２０度ずつずれて並ぶ。そして南極点の他にもう１つの点を固定すれば、その正４面体の残る２点も自動的に決定することになる。それでは一体どこをもう１つの基準点とすればよいのだろう。

　西経９０度の北緯１５〜２２度にはメソ・アメリカのユカタン半島がある。このメキシコ東部、グアテマラ、ベリーズに当たる地域には、かつてマヤ文明が栄えていた場所で、現在でもその遺跡やピラミッドが多数存在している。今このあたりを１つの規準点として設定することにしよう。そこから東に１２０度進むと東経３０度の位置に当たるエジプトに至る。この東経３０度の子午線は昔から最も長い陸地を通っている子午線として知られている。あの有名なギザの大ピラミッドは北緯３０度の地点だから１０度ほど上になっているが、やはり古代文明の発祥した地であることに変わりはない。そして地球に内接する正４面体の最後の１頂点は日本の近くである。東経１５０度、北緯１９．５度。それは東京からほぼ南に１０００キロの位置に小笠原諸島があるが、そのさらに先にある硫黄島の東の太平洋上に位置する海域がそこに相当する。

　以上の４点、すなわちマヤのピラミッド群がある地域、エジプトのギザのピラミッドの南下方の地域、日本に近い太平洋上の地域、そして南極点周辺の地域が、地球に内接する正４面体の４つの頂点にほぼ対応する。もちろん正４面体の１点を最初に北極点に設定すれば、残る３点は南緯１９．５度に１２０度位相をずらして位置することになる。この２つの正４面体を１つと見れば、それは地球に内接するケプラーの星型８面体となる。この各点相互の位置関係は、たとえ地軸が変わろうとも不変である。さて私たちは地球上に±１９.５度を見てみたわけだが、今度は惑星レベルのスケールで見ていくことにしよう。

　太陽系の様々な惑星の南北約１９.５度のあたりには、膨大なエネルギーの噴出する地域が存在すると言われている。その１９.５度とは、地球に内接する正４面体の頂点が地表と接する緯度である。上の図では１つの正４面体のみが描かれているが、この中にケプラーの星形８面体を内接させて回転すると、南北１９.５度の緯度のところに回転する正４面体の頂点がくることになる。エネルギーの噴出とこの回転するケプラーの星形８面体とはサイズには関わらない。

　太陽表面を見てみれば、太陽黒点の活動と最高温度の地域は南北１９.５度にある。また金星表面でもおそらくアルファ（南緯２５度東経０度）とベータ（南緯２５度東経２８３度※）２５度領域の活動的な大火山複合体は１９.５度近隣に存在する。そして地球表面を見れば、地球最大の火山錘形であるハワイのマウナ・ケア火山は北緯１９.５度にある。またメキシコのテオティワカンにある太陽と月の神殿もこの緯度にある。次に火星表面で言えば、巨大なオリンポス山の火山錘形は北緯１９.５度にある。さらに木星表面では明らかにボルテクスである大赤斑は１９.５度にある。海王星表面においても１９８６年、ボイジャー�U号が北緯１９.５度に同様のスポットを発見している。木星・土星・天王星は太陽から受け取る以上のエネルギーを放出しているが、これは惑星が何らかの内部エネルギー源を有していると、リチャード・ホグランドは考えている。

　この２つの角度と直角（９０ﾟ)との比率を見てみると次のようになる。直角を６０進法的に見ると、この２つの角度は直角（６０）に対して６０±１３と表現できる。（ところで±１９ﾟ２８'の絶対値の和は３８ﾟ５６'＝３８＋１４／１５で通分すると５８４／１５である。この数の分母１５の２乗数２２５は金星公転周期２２５日と等しい。また分子の５８４という数は金星会合周期５８４日と等しい。）

　　　７０.５ﾟ：９０ﾟ＝２３５：３００＝４７：６０
　　１０９.５ﾟ：９０ﾟ＝３６５：３００＝７３：６０

（※）金星の経度はすべて東経で０度から３６０度まで表されている。