告白 (Ｉ ｌｏｖｅ）

この　首をうなだれた白い薔薇が　好きです
この　少し傷のついた赤い林檎が　好きです

この　床の木目が　好きです
この　黒い垂幕が 好きです

すりよる子猫が　好きです
首を傾げた犬が　好きです

夕餉の匂いが　好きです
さざめく街が　好きです
斜めなす光が　好きです

この手が　好きです
この足が 好きです
肉体が　好きです
物質が 好きです
この俗世間が 好きです

細胞が　好きです
分子が　原子が　化学式が　好きです
陽子が　電子が　中性子が　好きです
フォトンが　クォークが　好きです

水素が　ヘリウムが　リチウムが　ベリリウムが　ボロンが
炭素が　窒素が　酸素が　フッ素が　ネオンが　好きです

（ナトリウムが マグネシウムが アルミニウムが ケイ素が リンが
硫黄が 塩素が アルゴンが カリウムが カルシウムが 好きです）

ここにある全ての物が 好きです
ここにない全ての物が 好きです

好きと言う事も 嫌いと言う事も
実は同じ事かも 知れません
でも私は　好きと言う方が　好きです
好きと言う方が好きな 自分が好きです

人間が　好きです
人間が好き と言う人間が　好きです
人間が嫌い と言う人間が 好きです
人間でない存在が 好きです

太陽が　好きです
月が　好きです
光が　水が　大気が　好きです

地球上に住む　全ての人達が　好きです
そしてほかならぬ　この青い地球が　好きです

水星が　金星が　火星が　木星が　土星が　好きです
（アステロイドが　天王星が　海王星が　冥王星が　好きです）
この太陽系が　好きです

プレアデスが　オリオンが　シリウスが　好きです
この銀河系が　好きです
アンドロメダ銀河が　好きです
超銀河団が　グレートウォールが　クェーサーが
時空限界のそのさらに向こうが　好きです

･･････ナモナキモノカラ　スベテハウマレタ･･････

時間も空間もない「無」が　好きです
150億年前に起こったという　ビッグバンが　好きです

銀河誕生の　瞬間が　好きです
地球誕生の　瞬間が　好きです
生命誕生の　瞬間が　好きです

三葉虫の時代が　好きです
アンモナイトが　好きです
恐竜達の興亡が　好きです

先カンブリア時代が　古生代が　中生代が　好きです
猿人から原人へ　旧人から新人へと移る　時の狭間が　好きです

エジプト文明が　好きです
ゴータマ=シッダルタ誕生の　瞬間が　好きです
ジーザス=クライスト誕生の　瞬間が　好きです

この　意識される　時が 好きです

１万年の光が　１千年の夢が　好きです
１世紀の命が 10年の約束が　好きです
１年が　１カ月が　１週間が　１日が
１時間が　１分１秒１ミリ秒が　好きです

懐かしい昔の　記憶が　好きです
目映い未来の　予感が　好きです
そしてこの今という　生命の波頭が　好きです

３次元世界で 触れ合う事が 好きです
自分の肉体を 持つ事が 好きです
銀河の記憶を 失う事も 覚悟して
自ら選択して 私はここに来ました

だから今　ここが　好きです
ここにいあわせている人達が　好きです
ここにいないすべての人達が　好きです

かけがえのない この星の
かけがえのない この今の
かけがえのない あなたが 好きです

言葉が必要なくなる その日まで
好きですと繰り返す いつまでも

(ギャルリ・ウィ１９９５−１９９６越年パーティ演目改題）