■次に温度を見てみよう。温度は12−60進法ではなく馴染み深い10進法の目盛りになっている。しかし２ｍと２ｍを足せば４ｍになるのとは違い、温度は２℃に２℃を足せば４℃になるというものではない。難しく言えばこの実用温度目盛りの物理学的な基礎は、熱力学的な目盛りなのだ。セルシウスが水の氷点を０℃、沸点を100℃としてその差を100と定めたものが、私たちが使っている摂氏温度だ(※)。

■また目盛りは同じなのだが、氷点が273.15Ｋ、沸点が373.15Ｋになるのがケルビン度だ。こちらの０度（Ｋ）は温度の下限極限、つまり絶対零度になっている。摂氏でいえば−273.15℃だ。ボイル・シャルルの法則によれば、０℃の気体は温度が１℃上下するごとにその体積は１／273ずつ増減する。つまり−273.15℃になると理論上は体積０になってしまうので、そこが極限値・絶対零度ということになる。

■１年365日と、人間の平均体温36.5℃と、ティンパニの基本振動数１に対する第９上振動の比が3.65であることなどから、全く別のところに生じる数の符合に何らかの意味を見いだせるのではないかと述べたが、同様にここでは絶対零度の−273.15℃に少しだけこだわってみよう。放射される光の全エネルギー（背景輻射）は温度の４乗に比例する。例えば氷塊でも、非常に低い振動数だが輻射している。

　

■1965年、ベル研究所の研究員が元々はテルスター通信衛星からの信号を受信するために設計された装置を使って、地球が宇宙空間の全ての方向から来る熱輻射にさらされていることを発見した。そして平均振動数は１秒間に100,000,000,000（１千億）回で、これに対応する温度は絶対温度で３度（３Ｋ）であることが分かった。最近ではこの値はもう少し詳しく分かっており、2.73Ｋであるとされている。

■ところでこの数値は絶対零度−273.15℃と10進法的ホロンの関係にあることが分かる。つまりこの宇宙の背景輻射2.73Ｋは、絶対零度から水の氷点（０℃＝273.15Ｋ）までのちょうど１／100になっているのだ。この数値はまた「13の月の暦」の１年364日の３／４の日数273日と相似である。もっと素直に言えば、月の公転・自転周期27.32日とも何らかの呼応関係があるのではと想像力を掻き立てられる。

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（※）温度目盛りには、このほかにもカ氏度や烈氏度などもある。カ氏度はファーレンハイトという人によるもので、水の氷点が32度Ｆ、沸点が212度Ｆになっている。また烈氏度はレオミュールという人が考案したもので、水の氷点が０度、沸点が80度にしてある。しかし水の３態が作る２つの界面間を100目盛りとした摂氏温度に比べると、どうしても見劣りしてしまう。

NUMBER 01-22:温度と水とパーセント