■１■Dreamspellという名を高橋徹氏から最初に聞いたのは1991年の秋だった。その時は5200年弱の13バクトゥンに重なる文明周期仮説や、その周期が５つで地球の惑星歳差運動周期とも重なる26000年（25920年）の大周期があることなどがとても新鮮であり、そして妙なことなのだが懐かしくも感じられた。
■２■当時の私は、全く個人的だからこそ強烈な｢数のシンクロニシティ｣とでも呼ぶべき数字の符合多発に気づき始めていた。例えば5200年弱のロングカウントの起算と終焉。2012年と５重回転対称性の正20面体と正12面体。その回転対称軸31と正６面体と正８面体の回転対称軸31から、BC3113(BC3114説あり)。
■３■私は高橋徹氏からキットを受け取った。5200年前に地球を乗っ取り支配しようと企んだ詐欺師・戦士・男の神官たちがばら撒いた記憶ウイルスにより、集団忘却している時間の本質と真の生命サイクルを想起するためのワクチンでもあるDreamspell。偽のワクチンとウイルスが跋扈する現今とも呼応する。
■４■このDreamspellキットを先ず最初に気に入ったのは、真の知識は金銭で売買されるのではなく、対等な信頼関係の中での贈り物として無償で共有されるものというコンセプトだった。そして科学的原理や宗教的教義として万人に普遍のものでなく、参加自由な多次元ロールプレイングゲームだということ。
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■５■最初に来日した創出者ホゼ・アグエイアスはまだ若く、妻ロイディーンと共に世界中をアクティブホームレス(※)で巡り、日本でも宿泊は開け入れボランティアのカンパなどによるビジネスホテルなどに泊まって活動していた。今思うに、彼はマヤ的な叡知を通じより大きな数と暦の世界を見ていたのだ。 |
(※)詩人河村悟氏が当時展開した、生活苦から受動的にホームレスになるのではなく、自らの所有物をミニマムにカバン１つとし、安住すべき居住空間を放棄し、生活と活動の場を能動的に世界へと広げた生き様。冬至は小学館の雑誌などでも紹介されていた。一人きりでは生きていけない究極の自己他者問題。
■６■ホゼ・アグエイアスに関しては、多分日本との相性がとても良いこともあってか、ある時期から日本にDreamspell及びホゼ・アグエイアスの情報が入る場合、様々なバイアスが欠けられている。一例として日本語版と英語版のwikipediaの文言を見れば、その扱い方の違いがセンスとして分かるだろう。
■７■数の数え方一つとっても20進法を用いていたマヤ人は、10進法的発想の私たちとは異なった精神構造で世界を認識していただろう。彼らは時間のエキスパートであったと言われる。しかし時間と言っても時計で刻まれる機械的な時間のことではない。内なる生命時間と、機械的に見える外の時間との統合。
■８■機械を作ってその余暇を楽しもうとしたはずなのに、より忙しく立ち働かねばならなくなっている現代社会。時間の経過にも価値を与えて利息を取るという現在の経済システム。「時は金なり」。大多数の人達がこのままではよくないと感じつつ、それでも何をどうすれば良いのか分からないままでいる。
■９■その世界観は恐ろしいほど精緻な数字と周期から成っていた。ドリームスペルをプレイしていくうちに私は必然的に数の世界に絡め取られている自分に気がついた。「テレクトノン」の９節に胸を打たれた。「真実の子供たちよ、忘れるな。全ては数字。神は数字だ。神は全てに存在する。」（高橋徹訳）
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■10■時間を質から量で考えるようになった吝嗇な人間の効率第一主義は、機械を単なる時間削減装置に変えた。産業と経済も物質主義的世界観の中で、金銭が潤滑油となる巨大な機械システムへと変質していった。時間は金銭量で表されるようになり、人間は決定的な時間不足＝金銭不足感のループに入った。 |
■11■「時は金なり」から「時は芸術なり」へ。これはドリームスペルの背景概念の１つだ。量と金銭としての時間から、質と芸術としての時間へのシフト。生命時間を機械時間に汚染し続けてきた人間の忘却加速ウィルスに対する真正なるワクチンとして、この時間感覚を自らの内に蘇らすことということ…。
2022.07.24
Sunday
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