#021　世間的呪術世界に重なりみる葬儀

■本日、動物・ペット供養してくれる曹洞宗のお寺「長楽寺」にて、葬儀および火葬をし
て頂き、無事ウメタロウの遺骨を家に連れて帰りました。家では亡くなってから49日にも
あたるモモノスケの遺骨と並べて、仲良しの２匹を弔います。

　　　

■儀式の文脈の中でも外でも否定するものは何もなく、ただ慈しみの思いから感謝が湧き
滲むばかりです。気にとめて頂いたみなさんには、心より感謝いたします。

　　　　　　　　　

■最後の別れの前に、花埋みのウメタロウの亡骸を不思議そうに見入るみかん。人間の思
い込みとはまた別に、神妙な顔をして覗きこんでいます。人間の死生観とは別かも知れま
せんが、明らかに生きている状態と死んでしまった状態の違いは認識していると思います
。そこに人間の価値観をかぶせなくても、なんとなくそれなりに厳粛な気持ちになってい
るのかも…。

■手向け花とは送る相手に対する想いを表現したもの。遺された人間のためのものではあ
るけれど、手向けた者の心の安らぎと優しい思いが、逝くものと別々でなく１つになると
いうことならば、遺された者の独りよがりだけではない。これはいわば呪術的世界観です
が、それでもより優しい気持にはなりました。

　　　　　　　　　

■動物霊園と葬儀施設を持つ「長楽寺」の入り口横にある、不思議な動物観音。狛犬の代
わりに左右に犬と猫の像があり、観音様の足元にも猫と犬がいて、観音様自体は手に鳩を
持っています。葬儀も終わって、私はなにげに和んでおります。

■動物観音は、頭観音を祭っての観音像のようです。馬頭観音はペット供養の仏像として
江戸時代頃から広く信仰されているとのこと。しかし現今のようにペットを家族同様に飼
い、死亡するとペットロス症候群と命名されているほど嘆き悲しんで社会復帰もままなら
ぬほどの者が多数現れている状況では、動物供養の施設は重要な意味を持ってきている。

■人間同様やそれ以上立派な葬式や供養をするのもどうかとか、人間と一緒に墓に入れる
のはどうかとか、おもに人間の心の方の理由からではあるが、お寺で専門に行っている動
物供養は、今現代のニーズにしっかり答えて機能しているようだ。まあ、「一切衆生悉有
仏性」という経文もあるしね。

■それにしても狛犬の代わりに犬像と猫象とはひねりのない直球で、ツッコミもできない
潔さであろう。私個人としては、動物の魂は死後に消滅するものだと説く釈迦にツッコミ
を入れたいところでもあるけれど、あって助かっている人も多数いるのであろうから、静
かに茶を飲んでおります(^^)。 今はあっても全然ＯＫ！ってことで。

2015.02.01 Sunday

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