#084　非対称的な自分の片割れ

■双対性には鏡像対称性を持つペアだけでなく、非対称性のペアもある。Ａとそれを包含するＢの対でも、Ａから見て一部が重畳しているという予感はあっても、Ｂが自分を内包いると知らなければ、非対称性ながらＡはＢを片割れもしくは自らのペアと捉えるだろう。それを自分とは別個の外在超越存在であると見るより現実に近いし、また生きやすいに違いない。自分だけに便宜を図ってくれる存在ならば、それは未自分である可能性が高い。

■マヤにももう１つの自分の存在を動物や霊的存在として想定しているし、アメリカ先住民族が大切にするトーテムアニマルや、漫画の中でもスタンドや斬魄刀のように非日常的次元由来の自分自身の力は各種散見できるし、ニューエイジやスピリチュアリズムでも自分の守護天使や指導霊、自分だけのイルカや宇宙人と解釈するものなど、数え上げたらきりがない。問題はそれら未自己とより広い世界の非自己もしくは非他者の見極め能力だ。

　　　

■自分の相補的な存在を知っても、他者のそれらと戦って我を通すようなまねをするのは時代に逆行することだ。先ずは自分対称的存在部分と対話を重ねること、そして未他者と未自己が分離も融合もせずにコミュニケーションを取れる場と方法を模索すること。その先にこそより不二なる自己と他者の出会うところが分かるだろう。幾重にも重なり被っている「ひとりよがりの王国」の胞を突き抜けよう。ずれと傾きのあわいを辿りつつ…。

おまけ！。

　　　

2009.09.15 Tuesday