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■猫魔温泉はその名前からして、ずっと行きたいところだった。古くから「黄
金の湯」として愛されてきた名湯は訪れる前に旧裏磐梯猫魔ホテルがなくなり
、新しいオーナーの元で生まれ変わったと聞いていた。今回は満を持してその
地のある裏磐梯に向かった。着いて見ると何やら超弩級に広大な施設がある。

■取り敢えずフロントらしきところで入浴の可否を訪ねると、日帰りの受付は
また別のフロントにあるとのこと。広くゴージャスな建物の内を辿って、温泉
に入る手続きをどうにか済ます。贅沢に整え飾り立てられた高原リゾートホテ
ルだったが、応対する従業員達にも余裕と優しさが感じられて好感が持てる。

■さて温泉。裏磐梯最大の湖・桧原湖の雄大な景色を浴槽から眺められる露天
温泉にも、内湯の広々とした大浴場(一部循環ろ過)にも、敷地内から湧出する
源泉が掛け流されている。猫魔温泉の温まる塩化物泉は鉄分が豊富なので、湧
出時は透明な湯だが、空気に触れると酸化して赤く変色してにごり湯になる。

「裏磐梯レイクリゾート」ＨＰより。

■血流と代謝を促してくれる効能は変わっていないだろうが、贅沢に掛け流さ
れているので、昔見た露天風呂の写真のように混濁して底が見えない程に酸化
する前に、入れ替わってしまっている。湯量豊富なのは喜ばしいことだ。含有
量が100mg以上なら美肌効果が期待できるメタケイ酸も200mg以上入っている。

■この日は風が強くて、露天は湯船に浸かっていないと絶えられない寒さだっ
た。昔の写真で見た状態より随分樹木が生い茂っていたが、風が樹木を撓ませ
てくれるので桧原湖が一層良く見えた。頭上の木々が青い空を背にさざめく様
を見ながら露天に浸かる至福感。ずっと位置までも眺めていられそうだった。

■後で知ったのだが、ここは左側が猫魔離宮、右側が五色の森であり、全体で
裏磐梯レイクリゾートという施設だった。裏磐梯からの帰りしな、少し足を延
ばして「コビットハウス」をちょっとだけ見に行ってきた。

・源泉名／湯平山温泉(裏磐梯レイクリゾート所有)
・泉質／ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
・泉温／51.5℃（外気温8.0°C時）
・湧出量／毎分580リットル（自噴）
・pH／6.8
・日帰り入浴／1,200円
・入浴時間：9:00～10:30(最終入場9:30)13:30～21:00(最終入場20:00)

人生丸ごと湯治日記（６４１）　20201114