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■岡谷に２つあるモール泉の片方｢諏訪湖ハイツ｣は既に入浴済みだったので、
ここもぜひ入りたいと思っていた。この日は夜になってからの訪問だが、小雨
のしのつく中、平日なのに広い駐車場にはたくさんの車が停まっていた。温泉
施設として充実していることもあり、ここは近隣でも人気のスポットらしい。

■浴室に入ると、ローマ風呂風の円形の湯船が中央に１つあり、その中心にあ
る湯口から浴槽に湯が投入されている。深い湯舟の底には玉石がごろごろと敷
き詰められており、周囲ぐるりの壁には淡い光に照らされたステンドグラスす
るが据えられていた。そこで休憩してまた再入浴する石造りのベンチもある。

画像は「ニフティ温泉」より借用。

■加水、加温、循環ろ過で、さらに塩素系薬剤も使用していると明記されてい
るが、泉質は炭酸水素イオンとメタケイ酸を多く含む単純温泉（弱アルカリ性
低張性高温泉）であり、わずかに熱めの湯は独特の薄茶色を呈したいわゆる美
肌の湯で肌がすべすべになる。レストランや売店もあり、長湯したい温泉だ。

■諏訪で唯一のフィンランドサウナと自称しており、話題のロウリュウ爆裂熱
波、なでしこ熱波のサービスもある。２階には新しい畳敷きの休憩室がある。
座敷テーブルと座布団が据えられていて、無料給茶機やＴＶも備えられている
。漫画の単行本も置いてあり、ゆっくり過ごすにはもってこいの施設だろう。

画像は「るるぶmore」より借用。

■モールについて。モールとはとは、ドイツ語で泥炭 (Moor) のこと。十勝川
温泉で20世紀初頭に名付けられた。以降、日本各地でもモール成分を含んだ温
泉が確認され始めた。泉法に基づく泉質分類とは全く別の概念であり、効能も
それぞれ様々だ。モール泉はまた、石油になる手前の温泉などとも称される。

■石炭の形成途上であり炭化が進んでいない泥炭や亜炭層から源泉を汲み上げ
るため、「大自然の成すハーブ蒸し」という表現もあるように、植物起源の有
機質を多く含み、肌に触れるとツルスベ感がある。湯色は黒湯／褐色／飴／コ
ーラ色等を呈し、透明度もいろいろである。概して湯の温度はそう高くない。

■なおロマネットという名は、ローマ(ROMA)と熱湯(NETTO）を組み合わせた造
語だそうだ。泉質名は単純温泉だが、成分総計は 957.4mgあり、含有物質が規
定に僅かに足りないだけで、成分的にはほぼナトリウムー炭酸水素塩泉だ。な
お午前５時半から９時の間に、大人280円・小人140円で朝風呂もやっている。

　　　　　★所在地：〒394-0081 長野県岡谷市長地権現町４丁目１?24
　　　　　　　　　　Tel.0266-27-6080　http://okaya-romanet.jp/
　　　　　・料金／530円
　　　　　・営業時間：05:30分～09:00、10:00～22:30、火曜定休
　　　　　・泉質／単純温泉(低張性弱アルカリ高温泉)
　　　　　・源泉温度／46℃
　　　　　・pH／8.3
　　　　　・浴槽／内湯：男1・女1(ローマ風呂)、サウナ、冷浴
　　　　　・湯使い／加水、加温、循環ろ過、塩素系薬剤
　　　　　・無料駐車場／あり

人生丸ごと湯治日記（６２６）　20191014