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■帯広で軽く腹を満たしてから、赤い流星号を駆って西へと向かう。日高山脈越えの最中に、雨はだんだん濃い霧へと変わっていった。黄色いフォグランプすらも見えにくくなるほどの濃霧はトンネルの中まで入りこんでいるというのに、北海道では普通のことなのか、札幌方面に向かう前後の車はスピードを変えずに走りつづけている。

■ようやく峠を超えて下り気味の道になったなと思っていたら、突然霧が晴れた。驚いて振り返ると、真っ白な世界の界面がゆっくりと動いている。今まで濃い雲の中を走っていたのだった。ゆっくりと下りながら日高の町に入る。るしえる兄ぃが昨日までの鑑定でかなりドロドロ状態だと自己申告するので、ひと風呂浴びることにした。

　　

■日高の沙流川沿いにある「ひだか高原荘温泉」に車を止めた。ここは日高国際スキー場が併設されている温泉施設だ。循環ろ過＆塩素殺菌の温泉ではあるが、浴室に入ると、硫黄の香りがするのが分かった。ここの温泉は乳白色濁であると表記されていだが、ほぼ無色透明だが僅かに濁っている。お湯がヘタレておらず新鮮なのだろう。

■味はほとんどないが、何らかのミネラルの味がほんのりとする。泉質は単純硫黄冷鉱泉で、泉温は11.3℃、pHは9.4だ。少しだけヌルヌル感もある。湧出量は毎分127リットルもあり、加水は一切せずに、毎分30リットルの源泉を加えているらしい。いっそ循環せずに、燃料費はかかるが投入量を絞り、加熱のみでやっていけそうなのに。

　　

■湯に入るとすぐに温まり、上がっても温かさがなかなか抜けない。ボーッとして眠くなる。やはり人はほとんどいない。静かだ。屋根を打つ雨の音だけが耳に響いてくる。この後、ヒットポイントを回復したるしえる兄ぃは、再び赤い流星号のハンドルを握ると、十勝から石狩まで続く石勝樹海ロードをさらに西に向けて走らせ始めた。

（※）1枚目と２枚目はネットより借用。建物は最近リニューアルされて立派になったようだ。

★所在地：北海道沙流郡日高町富岡444-１ TEL.01457-6-2258

人生丸ごと湯治日記（５０４）　20010910 re.