 ■期待通りを外して生きる■
人に期待されるのはやぶさかではないが、人の期待通りの面白さを望まれるのは困惑を感じる。思い通りでないイコールつまらないという発想は、娯楽以外の何ものをも与えない。それならば芸人さんの完全な芸を見に行けば良い。そうすれば自分は安全な観客のまま、巻き込まれずに感心し楽しめるだろう。しかし真の芸人は観客をも否応なく巻き込んでいくのだが。
私は思い通りの面白さを期待する者に対しては、常にそれを外したいという気持ちが働く。望むらくは期待以下のつまらない平凡性に堕するのではなく、思いもよらぬ面白さを提示したい。その時の全てのイマジネーションを超えた新しい何かを抱えて、その人の眼前に現れたいものである。それがひとりよがりの行為ではなくむ、また他者のためにという思い上がりのなせるわざででもなく。
■謙虚な者との情報交換■
謙虚な者は与えられるものが多い。萎縮することもへりくだることもなく、謙虚な者同士はエゴイズムからではなく自由意志から「私は私、あなたはあなた」なのだ。
これらの者同士が出会うことによって成される情報の交換は、１０と１０を交換して結局もとのままの１０ということはありえない。また１０＋１０で２０になるというものでもない。１０×１０で双方とも１００以上になるという未知の相乗効果が発生する。しかし人間は忘却する。１００となっても１５を忘れることがある。だからこそ傲慢や不安などを抱えつつ１０と１０をただ交換する類の、ギブアンドテイク的な情報交換ではなく、謙虚にして対等なまま、相互に与え続ける情報共有をしていきたいものだ。
■胡蝶の夢■
自己内の位置の交換
（１）自分が今ここにいるということを自覚する。
（２）目を閉じて自分が今ここでない他所（※１）にいることをイメージする。
（３）目を開けて再び自分が今ここにいるということを再確認する。
（４）目を閉じて再び自分が今ここでない他所にいるイメージを再確認する。
（５）その他所で目を開けて、今ここにいる自分をイメージする。
（６）その他所で目を閉じて、今ここにいる自分を自覚する。
（７）目を閉じて他所と今ここにいる自分交互にイメージする。
（８）目を開けて他所と今ここにいる自分交互にイメージする。
（９）今ここといつかの他所を共に見ている自分の視座を自覚する。
（※１）自分のベッドの上やお気に入りの野外のスポットなど
テラバイト日記（８８）20020420
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