3行日記 2003 WIND70


   ■支配する者は支配されている 20030803-3

支配する者と支配される者。自らの欲望に沿って大義をかざす支配者。進化変容に
対して能動的に関与する意識を持たぬ被支配者。この2者は共に個々人の内にもあ
ることを知らねば、その統合は叶わぬ。支配被支配の双子の関係を意志で超えよ。

   ■盗電は薄皮のような犯罪行為 20030805

限界を超えると快感になる暑さの岐阜。携帯電話の電池残量が僅かなのに気付く。
公共施設のトイレのコンセントから充電開始。モバイルパソコンと携帯電話でアク
ティブホームレス…昔の夢は今の現実。だが盗電生活は穏やかな犯罪行為である。

   ■夏の暑さを眠って過ごす猫 20030806-1

気温三十数度の昼下がり、猫たちは床やガラステーブルに腹をつけて伸びている。
彼らは暑い昼間はずっとうたた寝を続ける。ひんやりしたバスタブも本棚の上も、
昨日今日は風通しが悪いので風の通り道を選んでいる。冷房を入れぬ夏の入道雲。

   ■蝉の時の輪、人の時の矢 20030806-2

冷房を入れて気温が下がると、途端に騒ぎ出す猫たち。外は猛暑。うつろになりか
ける頭を抱えて歩くと頭上から大音声。見上げれば幹に多数の蝉。残り少ない地上
の土面の庭から大挙して出現したのだろう。その短き時をしばし私と共有させよ。

   ■年長者の自然な気持ち 20030806-3

人間界に生まれきて、心に傷を負わぬまま成長する子供はいない。心に傷を負うこ
とすらもいまだに人間の成長過程に刷り込み済みだとしても、それでもやはり彼ら
より長生きしている者として、できる限りその傷が少なくて済むように努めたい。