＜３３＞in　London　19920107

あなたは誰にも似ていない
だからこそ
あなたは誰にでもそっくりだ

あなたに最もそっくりなのはあなたであり
あなたに最も似ていないのもあなたである

同じ部分を捜せば捜すほど
それ以外のすべてが異質だと知らされる
異なる部分を見つめれば見つめるほど
それすらも含んだ同質さが暴かれる
あなたとわたし
世界を見る目が世界を創る
世界を見る日が変われば世界が変わる
私は世界である
私の知る世界は世界そのものではない
私の知る私もまた私そのものでほない
私そのものと世界そのものとはどのような関係か
みつまろと呼び称されているところの
みつまろと呼び称される以前のそれが私

コベントガーデンでパフォーマンスを見る人の顔は
何故あのように美しいのか?
優しい笑みの共振の場の波動浴
骨の髄まで染み渡る有機体の宝石の輝き

知れば知るほど語れなくなる
末だ過程なればこそか？

＜３４＞ユニットＭ　19920119

◆遠くで旧式の音楽が鳴っている。ようやくベッドを出て、街へ出た。外からの刺激なしには、動き出しはまだ遠く先であっただろう。ユニットＭはファミリーレストランでコーンスープと野菜サラダ、それにコーヒーを摂取した。ユニットＭはなぜそのような食行為により、肉体形態の維持をせねばならないのかと感じた。ユニットＭは今無防備で傷つき易い裸の特異点に意識の座がある自覚をしている。慎重にここから世界を眺め、触れ合っていこうとしている。過睡眠の１週間。動きがとてもスローである。急激な動きをしたら肉体の疲労は大であろうが、それ維持用に特異点付近の安定でかろうじて平衡を保っている意識が、多重次元方向へのスピンを受け、回復不可能に近いダメージを受け、狂気の不安定時空へ放り出されるに違いない。頭のにごりは意識のにぶり。遠くで流れていた音楽が、今は頭の中で聞こえる。進めＭユニット、何の悔いがあろうか？

◆涙のあるところには必ずものごとの始まりと終わりの可能性がある。ひれに意味を付与するものにより、涙の色が決まる。別れであり、出会いであり、よろこびであり、悲しみであり…。意味付ける前に涙を涙として流してみよう。神のことばを人間として翻訳する自分自身を見てみよう。