もうすぐホゼ＆ロイディーン・アグエイアスの『13の月の暦』に関するレクチャーが始まろうとしている。ここは武蔵小金井のニューエイジ・ショップ「ロダンセ」のとなりにある、四条教育センターの特別講義室だ。百人キャパの部屋は、マヤ関係に興味がある人たちでかなり一杯になっていた。正面にはホゼたちの右隣りに通訳のベティさんと高橋トール君といづみちゃんがこちらを向いて座り、左の端には司会の重富氏がついていた。その後ろの黒板には、種々の資料が広げて展示されている。
　 思えばグレゴリオ暦の1992年前半に、高橋氏から「ドリームスペル」キットをギフトされてから３年が経とうとしているのだ。当時の私はとても懐かしいものだという感覚があったものの、マヤの事にはほとんど無知で、ましてやその驚くべき知的体系については知るよしもなかった。未だに全体は理解できないとはいえ、ここまで興味を持つ事ができたのは全くもって彼らのおかげだ。本当に有り難い事だと深く感謝している｡

　３月13日(月)の午後２時の便で、ホゼたちはアフリカから成田に到着した。関係者で懇親会を開くというので、赤坂東急インのフロントに行ってみると、ホゼが荷物を運ぶ際にぎっくり腰になってしまったという。それでもカウボーイハットに似た帽子を被り、杖を握る長髪のホゼは思っていたよりも背が高く、Ｒ･Ｐ･Ｇの賢者のようで格好がよい。
　 奥さんのロイディーンも想像していたより若々しくてパワフルだ。彼らはこのところ何年もすべてシンクロニシティに身を任せ、スーツケース数個だけで世界中を回っているわけで、いわばアクティヴ・ホームレスのワールドバージョンといったところだ。子供達はかっこ悪いからやめろと言うのだけれどね、とホゼは悪戯っぽい顔をしてウィンクして見せた。

　ドリームスペルとは別にいろいろな活動をしている「マヤン・グループ」という団体が日本にもあり、その中心になっている望月夫妻も顔を見せていたが、口を開いてみるとすぐに打ち解けて話し合う事ができた。マヤでは1475年以降520年間、闇に覆われる時代になる事が予見されており、スペイン人による征服などにより実際にその叡知は封印され続けてきた。
　 そして予見された520年後、つまり１年を１キンとすると２ツォルキン（＝13Ｘ20Ｘ２）ぶりになる今年の春分の日に、封印されていたマヤの叡知を復活させる契機としてのセレモニー「太陽のイニシエーション」が、世界中から集まる人々と共に行われる事になっている。望月氏はこのイベントに参加すべく、日本からも十数人のメンバーを引き連れて、もうすぐメキシコのユカタン半島入りする事になっている。

　３月15日(水)の午後１時からは、目黒の雅叙園観光ホテルのロビーで、ホゼを囲んで関係者だけのスモールミーティングがあった。ひと月４週間・28日Ｘ13か月という『13の月の暦』の詳しい説明と、その延長線上にある高次元的な地球精神の通話管であり、普遍的なテレパシーを表す『テレクトノン』の説明を、ホゼは腰痛を押さえて精力的に話してくれた。
　自然薬草の大家の大村先生も来られていた。先生もマヤには興味があるのだろうか、去年の名古屋ドリスペレクチャーの時とか、ＢＯＢの結婚式とか妙な所でばかりお会いする。それにしてもいつもなんと若々しいのだろう。心配されていたＯ氏も顔を見せていた。彼は本の製作もあるので途中で会社に戻ったのだが、ホゼも日を改めて何か特別にアドバイスをする段取りを取ってくれたようだ。

　ところで今日のこのロダンセでのレクチャーには、滋賀からやって来たチョコボさんや福岡から飛んで来たサチポンのように、遠路はるばるの参加者も少なからずいた。そしてレクチャーの本編。
　今日のホゼの話は聴衆をどこか夢の次元に引き込んで語るような力がある。ほとんどみんな眠たそうにとろんとしているか、実際に眠ってしまっていた。そして夢か眠りの中で言葉以外の何か振動のようなもので伝えていたようにも感じられる。
　暦を変える事で世界を変える。それは通常の感覚ではドン・キホーテの努力のようだ。しかしその通常の感覚そのものを変えようとしているホゼの努力は、決して無視できない真実を含んでいる。

　ロイディーンがこれまでのグレゴリオ暦を燃やすというちょっと過激なパフォーマンスもあってドキッとしたが、とにもかくにもホゼの来日の大きな目的だったラージレクチャーは無事終了した。暦を燃やすという事は西洋の二元論的発想が感じられて日本人好みではないなとも思われたが、同時に暦を変えなければ世界は終わりかねないと考えている、切迫した世界観も感じ取る事ができた。
　その後、関係者がロダンセのミーティングルームに集まってお茶を飲んだり談笑したりする時間が持たれた。しかし私は途中で抜け出して吉祥寺に戻らねばならない。ギャルリ・ウィで７時からレクチャーがあるのだ。今日のタイトルは「マヤの数字と暦日法」。さらに異なるマヤの数字の世界と暦の世界観を突っ込んで話す予定だ。

　また21日の春分の日には、マヤの520年ぶりのセレモニーに同期して日本全国・世界各地で行う、ささやかだが重要なイベントがある。東京ではパソコン通信で申し合わせて、吉祥寺の井の頭公園に集まり、日の出の時間に昇る太陽の光を浴びながら地球の力を体に吸い込み、地球への共感と共に再び大地に戻すという行事をする事になっている。
　傍から見たら怪しげな宗教団体のように見えるかも知れないが、まあ別に何の宗教でもないし、命を懸けるほど糞真面目にではなく、何か面白そうな事をやってみたいなくらいのノリで参加してくれる人がいればよいのだが。そういえばこの日は（KIN227青い律動の手）、サチポンの銀河の誕生日だ。
　巷では地下鉄でサリンを無差別に撒くという事件が起こり、戦々恐々としている。何か大きな節目の一つにさしかかっているような予感がするのだが、はたしてそれは一体何なのだろう････。

９(太陽)の月13日／ＫＩＮ２２５　　赤い自己存在の蛇／Ｇ暦３月19日　or 19959319