それにしても日本ではなぜ、生まれてくるのにも死ぬのにもお金がいるのだろう？そしてただ存在するために住む家の維持にもお金が必要なのだろう？生命を維持するための食事にすらお金がかかるのだろう？どこかがおかしいと感じている人は少なくないはずだ。ではどうすればよいのだろう。温故知新は重要だ。しかし原始共産主義のような昔に逆行する事は、決して正しい道だとは思わない。どの方向に未来の道筋を定めるかという事は、みんなで考えるべき重要な問題のひとつだ。

　お金が無い事自体は別に悪い事ではない。少なくともお金で何でも解決できると思い込んでいるよりは。しかし現状ではお金が無ければ生きてはいけない世の中であると人は言う。そのような社会の仕組みなのであるならば、それはそれとして一応認めた上で、お金というものを考えなくてはならない。 だが実際のところ、お金が無くては本当に生きてはいけないのだろうか？生きている事、存在している事自体が、お金では代えられないすばらしい事なのに、その存続にはお金がいるというのはどこか妙な話のような気がする。

　例えば<ラブオファー>、無償の申し出。見返りを求めない愛。それはこの世界では一体どのように解するのだろう？ただの徒花として？無知な者の愚かな行為？それともそれは未来の経済の基本概念のひとつなのだろうか？
　確かにお金には<力>がある。しかしそれは<光>ではない。メタフォリックな意味でもお金は<精神>ではなく<物質>だ。それを意味のある物質として存在せしめている<数>は精神であって、物質ではない。力は物質に属する。光は精神に属する。<食べ物>は物質と精神を繋ぐが、そのどちらでもない。食べ物に対する嗜好はその人の精神の反映である。無償で提供された食べ物は最高の精神を内包している。

　全体像の見えにくい金儲けは極力控える事。自分のなす事がどのように社会や環境に影響するか何も考えないで働いて稼いでいるのは、いくらお金を持っていても、とてもみすぼらしい精神ではないだろうか？もちろん潔癖すぎても何もできず、ゆるやかな自殺に等しい生きざまを呈するかもしれない。日々、より良き方向へむかうベクトルを持ちつつバランス良く生きる事が重要だ。一意でお金もまたエネルギーなのだから。 それが体感できるまで、確信犯的にお金とは極力かかわりあいにならない生活をしてみよう。もういい、これ以上拒絶する事は無意味で、生命すらも否定する事になると実感できるまで。そうする事によって初めて、観念だけではないところから言える事もきっとあるだろう。

　省エネルギーという言葉がある。必要以上のエネルギーを無駄に用いぬよう、意識的にエネルギーを用いる事。また必要なエネルギーの量を、地球やその上で生きる生物に対する不二意識から効率的・倫理的に押さえつつ、生活意識をより自然なエネルギー消費に無理なく代えて行く事。
　食べ物もそうだ。必要以上に摂取する事による、肉体への過負担と病気の発生、また太り過ぎに対するダイエットでさらにエネルギーとお金と時間を使うという愚行。より美味しいもの、より安いものという追及に加えて、より体にいいものを意識的に選択するという事も、結果的には健康を維持し、お金の不要な漏洩を防ぐ事に繋がるだろう。

　　　 ２(太陰)の月27日／ＫＩＮ４３　　青い自己存在の夜／Ｇ暦９月18日　or 10040918